2017年12月12日火曜日

眼窩下神経ブロック

※注意 屠体の写真あり

けがの縫合やパピローマの疣を取るときなど何かと使えるのが眼窩下神経ブロック(infraorbital nerve block)。
鎮静だけで行えるならそれでもいいが、痛いと馬がかわいそうであるし、なにより痛がる馬は保定者や術者にとって大変危険である。

狙うのは眼と鼻の穴のちょうど中間で、鼻唇挙筋(levator nasolabialis muscle)の下(内側)。

ここ!

このあたりを触ると鼻から額に向けて走る筋肉(鼻唇挙筋)がわかる。その筋肉を指で押しのけて上か下にずらすとその内側に眼窩下孔が爪が引っ掛かるような感触で触れる。
ここに20Gもしくは22Gの1.5inch針を神経の向きに沿って、つまりは皮膚と浅い角度で鼻梁のラインと顔稜のラインにほぼ平行に、皮膚から1inch程入れる。眼窩下管の中にずいずい入れていく必要はないし、入れていってはいけない。孔から出てくるところに局所麻酔薬を数ml置いて神経ブロックすれば良い。

角度や位置が悪いと針先に骨に当たる感覚があるだけになる。うまくいくとスッと針が孔に入っていく。
屠体で練習すればそれほど難易度の高くない神経ブロックである。

けっこう爪をたててガリガリやらないと触知できない

この神経ブロックで無痛化されるのは上唇、鼻孔など眼窩下神経領域の皮膚、それに、鼻腔、切歯、犬歯、前臼歯とその歯槽・歯肉とされている。


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