2018年1月25日木曜日

財布の革ひも交換

姉が高校のホームステイでカナダだかメキシコだかに行った時のお土産で馬の革財布をくれた。
それは十数年後の今も使っている。


しかしお札を入れる(?)場所のジッパーはもう閉まらない


さらに、革同士を止めている紐が擦り切れて中のカード類が今にも落ちそうになってきた。

札入れやカード入れのサイズが日本のものに合っていなくて使いづらい財布だし、姉からの贈り物に特別な感情はないのだが、こんな武骨な財布は日本ではなかなか売ってないし、まだまだ使えるのに捨てるのはもったいない。
そこで手芸品店で牛革紐を15oo円程買ってきた。

名前も使い方もわからない裁縫道具セットに入っていた針金をネジネジしたものを穴にさして飛び出た輪っかに革ひもを引っかけて引っこ抜くという方法で補修。
ジッパーは取っ払った。
ネットで調べればもっと気の利いた補修方法があったのかもしれないが、調べるのがめんどくさい。


いいじゃん!
全周には全然足りなかったので痛みのひどいところしか補修していないが、会心の出来。
あと十年は戦える!

ってよく見たら紐を通す向きが逆だった!まあ気にしないけど。

2018年1月23日火曜日

冬の宮古→盛岡R106完走編

宮古市から岩手県庁のあたりに行く用事があったのでR106を完走することにした。

スタートの前に読者の皆様にまず申し上げたいのはこの道の歴史である。
この道の始まりは古く、江戸時代前期から盛岡城と宮古の港をつなぐ道として使われていた宮古街道(閉伊街道)を今も踏襲している。
宮古を含む下閉伊郡はリアス式海岸特有の険しい海岸線と岩手県を縦走する北上山地に囲まれ今も昔も陸の孤島と呼ばれる。そのなかで、東は閉伊川沿いに西は簗川沿いに北上山地を横断する宮古街道はこの地域の生命線である。この道の改修に尽力し三陸を飢饉から救った鞭牛和尚は宮古市民では知らない者のいない英雄となっており、宮古市民は決して呼び捨てでは呼ばず、鞭牛さんとか鞭牛様と呼ぶ。銅像も建てる。それほどに重要な道である。

そして、鞭牛和尚だけではない。この道は400年の歴史のなかでいつの時も難所を少しでも減らそうとその時代時代の人々が道を切り開いてきている。生きた道なのである。その成長は東日本大震災からの復興や2年続けての岩手県への台風直撃による閉伊川の氾濫の修繕を行っている現在、ものすごい勢いとなっている。
今回の完走の動機は、この時々刻々と変わっていく道の今を心に留めておきたいという思いである。

スタートはR45を北上し宮古大橋を渡り右折したところ。市役所の周りをぐるっと回って宮古大橋の下をくぐって新南大橋という陸橋を上るという凝った造りで始まる。
国道といっても宮古の中心街を抜けてしまうともうほとんど交差点のない一本道となる。信号も序盤に数個あるが、その後は盛岡の町までの間は3つくらいしかなく、さらにそれらもほとんどが朝6時前は点滅信号なので、早朝ならほぼノンストップである(改修で片側交互交通になっている場所は工事用の臨時信号があるが)。

片側相互交通で停止中
左は閉伊川、右は山という景色が続く

宮古市川井村に入る
だんだん山が深くなっていく

R106前半のベストポイントは茂市のゆったり館の看板から橋橋トンネル橋トンネル橋トンネルと続き長めの直線に出るゾーン。直線と比較的急な連続カーブが交互に続く区間で、ここのコース取りがビシッと決まると清々しい気分になれる。途中洪水で流されたままの橋が左に、変な形のキノコの看板が右に見え、最後の直線では警察がネズミ捕りしている。ちなみにこの橋とトンネルの連続は蛇行した川の真ん中を突っ切っていくからに他ならない。川は右へ左へとせわしなく流れていく。
このように、どんどん橋とトンネルが作られて所々バイパスができているが、基本は川沿い、それも川と山に挟まれたわずかな部分を造成して道路にしてあるので自然の地形に合わせて大小さまざまなカーブが連続する。加えて通勤ラッシュのほんの少し前に出発したので遅い土砂を積んだトラックさえ追い越していけばビュンビュン走っていける。穴場の国道である。特に欧州車で走れば街乗りではオーバースペックな部分も使えて本当に楽しいのだが落とし穴がぽっかりと口を開けているかもしれないので注意。
というのもR106の死亡事故件数は全国でもトップクラス(宮古警察署の資料参照)。後で知ったことだが壊れた橋のすぐ手前のところでこの前々日にトラックがガードレールを突き破って川に落ち、この日もまだ落ちたままになっていたらしい。

門馬トンネル
トンネルの中にガードレールがあるのを初めて見た

門馬トンネルを無事通過
川も上流っぽくなってくる

そしてR106のなかでも現代の難所と恐れられているのが門馬トンネルである(土木センターの資料参照)。微妙な傾斜と先の見えないカーブ、路面凍結のしやすさが事故多発の原因ではないかと言われているが、トンネルのすぐ脇で列車の脱線事故が起こるなど、どうも道だけのせいでなくプラスアルファ事故を引き寄せるような何かがこの地にはあるのかもしれない。
門馬トンネルを含む平津戸地区およびこの後の難所・区界地区についても数年後にはバイパストンネルが開通し通ることもなくなるようである。ここ数年の工事の進捗はすさまじいものがある。400年前の道と30年後の道と2時間の道程に思いをはせながら走るのも乙である。
さらに、並行する閉伊川も上流へと進んでいくにつれ川幅が狭く、石が大きくなっていくなどその顔を変えていく。川を河口から水源まで遡っていくというのは自分の原点を探す旅のようでもありロマンチックかもしれない。

道中いたるところでトンネル工事中

道の駅区界
ここもバイパスができれば通らなくなる

さて、門馬付近の急カーブの連続を過ぎるとだんだんなだらかになってくる。区界高原である。ここにはオービスと道の駅が整備されている。道の駅のフライドポテトはおいしくて大盛。
区界のトンネルの入り口が宮古市と盛岡市の境界でありR106の頂上である。標高は740mほど。トンネルを抜けると残りはひたすら下り坂が続く。70kmかけて上った高さを20kmで下りる。盛岡側の山場はまさにここで、すり鉢状の谷をらせんを描きながら降りてくる。
下の写真で説明すると、右奥が宮古方面で、高い位置にある橋を左に駆け抜けると左回りにぐるっと撮影地点までくる。次は低いほうの橋を抜けて右回りに半回転する。サーキットさながらである。

着雪してよく見えないが「君死に給ふことなかれ」とかかれた恐怖看板

R106名物のらせん山下り

この先は新道梁川道路と自動車専用道都南川目道路が田ノ沢ICまで既に開通している。梁川ダムが建設中で、旧道はダム湖の下に沈んでしまうそうである。今なら山と山の間にロープを張った索道というケーブルクレーン(?)を見ることができる。

梁川道路。かなりレアなmitoのポジションランプのみ点灯

ダム工事中。旧道はダムの下に眠ることになる。

田ノ沢ICから手代森ICの間はまだ工事中なので盛岡競馬場や盛岡動物園の近くの道を通って、渋滞でおなじみの茶畑交差点へ。

岩手山が見えてきたらゴールは近い。この先茶畑交差点

チャグチャグうまっこのゴール地点盛岡八幡宮を通過

岩手銀行赤レンガ館発見、左奥は盛岡城跡公園

公会堂裏の駐車場でゴール

積雪時期や桜の開花期や紅葉シーズンなどは標高に応じて変わる景色も楽しむことができる。
全長100km弱だが、実際の距離以上に充実感を感じるのは時間と季節を飛び越え、川の一生をなぞってきたからなのだろう。

おまけ
朝ごはんは近くのお店焼き立てパンpetite forêt(プティッツフォレ・小さい森)
栗アンパン90円

ランチは山田イタリアンrocare ascia(ロカーレアーシャ・斧食堂?)
魚料理のドルチェセットで1280円

県庁の向かいのイタリア国旗が目印


2018年1月12日金曜日

サラブレッドの皮下気腫

サラブレッドが外傷後に皮下気腫を発症した。

外傷自体は反対側の蹄が当たったもので管内側の幅2cmでごく浅い傷であったが、受傷から6時間後には指で押すとプチプチプチっという何とも嫌な音と感触(捻髪音・握雪感)が肢の広範で認められた。
これがその時のX線写真









管から飛節よりもさらに近位に向かって皮下(長趾伸筋・浅趾屈腱・深趾屈腱のまわり)に黒い空気のスジが写っている。
腫脹はあったが、熱感や疼痛はなかった。
マイシリンの高用量投与で様子を見ていたところ翌日には治癒していた。

論文検索では馬でのそのような症状の報告は見つからなかったが、競走馬も乗用馬もたくさん診ている馬の獣医さんに伺ったところ、「サラブレッドではわりとあるあるだよ」「フレグモーネ(蜂窩織炎)と言われてる症例のなかには皮下気腫も混ざってるんじゃないかな」とのことだった。

というわけで、このような症例に出会った話を募集したい。肢が腫れて、指で押すとプチプチ・ブチブチもしくはふわふわの雪を握ったときのようなシャリシャリっという感触だったことがある人はぜひ一報をいれてほしい。

そうというのも、この皮下気腫はガス壊疽でしばしば見られる症状として認識されている。
ガス壊疽とは嫌気性細菌(クロストリジウム属菌など)により発症する死亡率の高い疾病で、筋肉の壊死、ガス産生による触診での握雪感を特徴とする。治療は早急な切開洗浄と抗生物質大量投与、高圧酸素療法である[1]。
つまり、ガス壊疽の可能性がある場合には、緊急手術が必要であるが、ガス壊疽なのか非感染性の皮下気腫で放置しても翌日には自然治癒するものなのかしっかり見極めなければ、結果的に必要のない手術をしてしまうことになる。

実際、外傷後の皮下気腫で緊急で切開洗浄したが、ガス壊疽ではなかったという報告がヒトで散見される[2-4]。
また、これらの報告によると、ガス壊疽以外の皮下気腫の原因としては、創部への圧縮気体の注入、金属片と組織液との化学反応によるガス発生、筋活動による周囲空気の流入[2, 3]や過酸化水素水の組織間侵入[4]がある。
今回の症例は圧縮空気の注入は考えられないが、蹄鉄に使われているアルミニウムが創内に入りガスを発生させた可能性、消毒にスプレーした過酸化水素水による可能性や小さな創がcheck valveの作用を果たし創内に流入した空気が筋活動によって広範に散布された可能性が考えられる。



参考文献
[1] 清水宏. あたらしい皮膚科学. 中山書店, 2005.
  ガス壊疽http://www.derm-hokudai.jp/textbook/pdf/24-04.pdf
[2] 和田政浩, et al. 外傷後皮下気腫をきたしガス壊そを疑わせた一症例. 整形外科と災害外科, 1991, 39.4: 1588-1591.
[3] Filler, Robert M., N. Thorne Griscom, and Arthur Pappas. "Post-traumatic crepitation falsely suggesting gas gangrene." New England Journal of Medicine 278.14 (1968): 758-761.
[4] 清家卓也; 長江浩朗; 大和良輔. 過酸化水素水による皮下気腫の 1 例. 創傷, 2016, 7.1: 52-54.


2018年1月5日金曜日

本州最東端で初日の出を見るのはあきらめた


今年の初日の出はどこで見ようかなあー
最東端の場所に行けば他人より早く見れるんかなあー
ちょっとおもしろいかもなあー
いってみようかなあー

などとぼんやり考えていたのだが、初日の出を特殊な場所で拝むというのはかなりパワーが必要な行事である。入念な準備と緻密な計画がなければ寒い夜明け前に眠い目をこすって目的地に時間通りに到達することなどできない。
はたして、今年の初日の出は家の中からボケーっと眺めることとなった。

が、しかしゆく年くる年を見ながら突然湧いてきたこの最東端というアイデアは気に入った。本州最東端は我らが岩手県にあるのである。
一年の計は元旦にありと言う。来年の初日の出見学ツアーの計画を元旦に立てることにした。

本州最東端は宮古市重茂(おもえ)半島の魹ヶ崎である。重茂半島は宮古の市街地をおへそとすると、ヘソを覆い隠すように屹立したお○ん○んのような半島。日本の秘境100選に選ばれている。
ここを通る県道41号線は山田町の北のセブンイレブン(割と最近できた)の横から始まり、半島をぐるっとまわって津軽石川の河口で終わる約36kmの道である。
平成30年1月2日。手始めにこの県道41号線で魹ヶ崎の最寄り駐車場である姉吉キャンプ場まで行くことにした。


ゴール地点でもある津軽石地区から新しくできた三陸道を使わずに国道45号線を南下。途中冬期間に事故の多いブナ峠を越える。ほとんど凍結することのない岩手沿岸の国道45号線においてこの峠だけはしばしば凍結するうえに道が広くスピードが出せてしまう鬼門である。
それから、左側に突然現れる山道を進んでいくと光山温泉(とラブホ)があるのだが、ここの温泉(正確には冷鉱泉)は湯船がとにかく熱い。50℃くらいあるのではなかろうかという熱さ。水でぬるくしていいのだとは思うが、地元民が悠然と入っていると声をかけづらい。同じく山田町にある嶋田鉱泉もめちゃくちゃに熱い。

光山温泉入り口

峠を越えたらセブンイレブンの手前を左折。県道41号は入るや否やただならぬ気配を感じさせる。

海岸沿いなのに山道!?

車一台分の幅の道。脇は海までまっさかさまの崖。

はっきり言っておく。南周りルートは全くおススメしない。リアス式海岸が夢に出てうなされることになるだろう。
くねくね道がさらにくねくねしている。直線距離9kmの姉吉キャンプ場にいつまでたってもたどり着かない。まるで無限の道のりだ。
ビアンコスピノのウサギに乗ってフラクタル幾何学の不思議の国に迷い込んだアリスとは私のこと。

いたるところにガードレールが見えるくねくね道
アップダウンも200m程ある

やっと開けたところに出たと思ったらここはかつて最東端の小学校だった千鶏小学校の元校庭。キャンプ場までもう一息。

千鶏小学校跡

姉吉キャンプ場

姉吉キャンプ場についた頃にはもうゴール地点に到達する予想の時間を回っていた。休憩しようにも自販機も何もない。逃げるように北回りルートで津軽石に向けて出発した。
北回りルートもくねくね道だがこちらはバスも通る常識的な県道。住宅街を抜けて月山の脇を過ぎると湾の向こうに宮古の市街地が見えてきて、やっと現実の世界に戻ってこれたような気がした。大げさではなく本当にほっとした。

津軽石川河口を挟んで宮古市街地を望む

結論。今回泣きそうになりながら行った姉吉キャンプ場であるが、最終目標の魹ヶ崎はそこかさらに徒歩で1時間、左はクマ出没注意、右は一歩踏み外せば崖下へぼちゃんという道を歩いていかねばならないらしい。
正月の日の出前の寒くて暗いなか、そんな道を行く勇気はない。本州最東端で初日の出を見るのはあきらめた。
まあ、夏の明るい時間なら是非とも行ってみたいので、7月と10月のどこかの日曜日で行われるという魹ヶ崎灯台内部の一般公開を狙って再チャレンジしたい。もちろん北回りルートで。

2018年1月2日火曜日

ばんえい競馬予想・中級編 帯広記念


ばんえい競馬のすごいところは速さ(早さ)を競っていないところである。
いや、もちろんレースで一番早い(タイムが早い)馬が優勝ではあるが、馬に求められているのは早いタイムではなく、どれだけ重い荷物を運べるかなのである。
したがって、最速のレコードタイム(200mを30秒代)を出した馬よりも負担重量が最も重い1トンの重賞であるばんえい記念で5分以上かかってゴールした馬の方が名実ともにナンバーワン、という他の競馬からは信じられないようなことになる。

実際、2007年から2009年で史上2頭目のばんえい記念3連覇を果たしたトモエパワーは、生涯成績268戦32勝という恐ろしく低い勝率と2008年ばんえい記念の5分35秒8という最長レコードクラスのレースタイムとともに近年稀にみる最強馬としてばんえい競馬ファンの記憶に刻まれている。
パドックを周回するトモエパワー
トモエパワーの生涯成績

さて、3月に行われるばんえい記念に次ぐ高重量戦である帯広記念の予想である。
ちなみに、トップの写真は激闘となった2008年帯広記念の覇者フクイズミ。爆発的な末脚と愛らしいルックスで人気を博した。

2018.1.2 帯広9R 帯広記念 BG1

ばんえい競馬は多い馬は毎週のように、少ない馬でも2か月に一回はレースに出る。しかもおなじ相手とのレースになることが多い。半年もやればもう馴染みの馬ができたり、上下関係がわかってきたりして中級者の仲間入りである。

特にこのオープンクラスになると昇格や降格も少なくほぼ上下関係は固まっている。
で、ここ1年の重賞の成績を見ればだれでも

◎5オレノココロ
9コウシュハウンカイ
7フジダイビクトリー
4ニュータカラコマ

こんなかんじになると思う。
あとは穴馬探しと買い目の精度を上げていきたい。

まず大穴が開きやすいレースはどんなものかというと
①馬場水分や負担重量が近走とガラッと変わる
②有力馬同士が牽制しあう

大穴を開けやすい馬はというと
①前半でレースの流れに乗れないことが多い
③障害が不安定ですんなり登れば1着だが手こずると最下位
である

そして、ここ数年の帯広記念がすごく荒れているのが示すように帯広記念はこの条件にすごくあてはまる。

帯広の冬は晴天が多いうえに冬は凍結防止ロードヒーティングの影響で馬場が乾燥し重い馬場になりやすいが不思議と正月前後に雪が降り馬場が軽くなることが多い。加えて負担重量900kg以上のレースは帯広記念と3月のばんえい記念だけである。重量が重くて馬場が軽いというのは騎手にとっても予想する者にとっても難しい。
加えてBG1というグレード以上に「農林水産大臣賞典」というレースははばんえい競馬にとって別格の名誉である。牽制しあうのも当然である。

穴馬としては重賞未勝利ながらも障害巧者で岩見沢記念の2着馬である10サクラリュウ、古馬重賞初出走で実力未知数だがハンデに恵まれている1カンシャノココロがまず気になるが、不運にも不利とされる最内枠と最外枠を引いてしまったので今回はやめておく。
狙うのは

注2トレジャーハンター

2014年3月のチャンピオンカップ(800kg)以来重賞で掲示板の載っていないが、障害は高重量でもある程度対応している。軽馬場になればこの馬の先行力が活きる。加えて前走に超軽量戦(500kg)の地吹雪賞を選んできた。普通なら本番に近い重い重量で調整するところを、気持ちよく走らせて馬に自信をつけさせる作戦である。この作戦が吉とでるか凶とでるか博打を仕掛けてきている。

オレノココロは重馬場の方が歓迎だろうが軽馬場でも負担重量が軽い分有利だろう。3連覇は簡単ではないだろうが障害を4番手くらいで越えればゴール前で先行馬を捉える末脚を持っている。
コウシュハウンカイも前哨戦北見記念の走りは完璧。トップハンデとなるが障害を一番で越えてそのまま逃げ切りを図りたい。
この2頭を軸にして買い目を絞る。

本命
馬単
5→9

抑え
三連単
5,9→4,5,7,9→4,5,7,9

大穴
三連単軸一頭マルチ
2→4,5,7,9

もしばんえい競馬に興味をもったなら、ばんえいのバイブルといわれる「ばんえいまんが読本」がweb上で公開されているのでぜひ見ていただきたい。昭和53年に発刊されたものだが、今読んでもおもしろい。絵もかわいい。
ばんえい競馬馬主協会のHP ばんえいの歴史資料 の一番下からダウンロードできる

2018年1月1日月曜日

初故障?

あけましておめでとうございます

イタリア車に乗っていると故障の苦労話を期待されるようなところがあるが、今のところ大きな故障はない

が、しかし新年になって早速の初故障

か?


洗車をしていたら運転席ドアの付け根あたりから落ちてきた
助手席側のドアにはもともとない?みたいだし、なくても困らないのだが・・・
なんじゃろ。

目撃情報求ム


ばんえい競馬予想・初級編 天馬賞

ばんえい競馬は馬が橇(ソリ)をひく能力を競う競馬である。
北海道開拓民の馬の力比べを起源に持つこの競馬は、現在は公営競馬としては世界で唯一、帯広市のみで行われている。
ばんえい十勝の公式HPはコチラ

ばんえいとは「輓曳」、輓く(ひく:ゆっくりと引っ張り進む)と曳く(ひく:綱などで後ろのものを引っ張る)という字のとおり、馬が引っ張るソリに乗った騎手(馭者)が馬を操り、重い荷物を常歩(なみあし)とよばれる最もゆっくりとした走り(歩き)で競う競馬である。
荷物を運ぶ能力を競うという起源そのままに、「ソリの後端がゴールラインを過ぎたらゴール」、「競走の格が上がるほど荷物の重さが重くなる」などの特徴がある。

馬は平地・障害競馬で使われるサラブレッドなどの軽種馬や繋駕速歩で使われるスタンダードブレッドなどの中間種ではなく、パワーとウェイトにあふれる重種馬である。
しかも、帯広で活躍している馬は重種馬の中でも力強さを求めて交配されてきた世界一パワフルな日本輓系種である。

さて、そのばんえい競馬における4歳馬(明け5歳馬)の最強決定戦・天馬賞を初心者向けに予想したい。

参考になるのは地方競馬情報サイトや各ネット馬券購入サイトで見られる出馬表や、主要レースの見どころや予想が無料で見られるオッズパークばんえい競馬情報局、そしてパドックや公式HPで見られる輓馬たちの顔つき・体つき・気合である。

出馬表で見るのは、
①騎手
②負担重量
③過去の成績
④過去の対戦表

①騎手は平地競馬に比べて、障害を越えるばんえい競馬は特に重要で、馬5騎手5とも囁かれる。これはもうそのまんまリーディング上位の騎手を買っておけば間違いない。
現在であれば勝ち数1位から5位の鈴木恵介、阿部武臣、藤野俊一、松田道明、藤本匠の乗る馬は無条件で買いである。

②負担重量とはソリの重さ。格の高いレースは特別に重い重量であったり、ハンデで獲得賞金の多い馬だけ重くなっていたりする。牝馬(♀)や新人騎手・女性騎手だと減量される。高重量戦に強い馬と弱い馬がおり、ここの見極めがばんえい競馬の一番の面白さである。

③出走馬の直近5回のレース結果が出走表に載っている。レース名と負担重量、順位、タイム、1着馬(or2着馬)とのタイム差を見るとその馬のランクや調子、特徴がわかる。

④"地方競馬情報サイト"なら出馬表の上の「対戦表」を、楽天競馬なら「レース分析」というところをクリックすると最近の出走馬同士の対戦表が見られる。馬同士の上下関係が一目瞭然である。ただし、負担重量や馬場水分、騎手によって結果が変わってくるのでここは一筋縄とはいかない。

パドックでは細かいことは気にせずに五感を研ぎ澄ませてお気に入りの馬を見つければよい。顔が良いでもオーラを感じるでもいい。調子の良さはいろいろな形でにじみ出てくるものである。理屈抜きに選んでほしい。

これを踏まえて

2018.1.3 帯広10R 天馬賞 BG1

◎9マルミゴウカイ 藤本匠
○2フウジンライデン 島津新
▲10ブルーオーシャン 藤野俊一 
△6ツルイテンリュウ 長澤幸太
注5ホクショウディープ 鈴木恵介

まずこのレースは定量戦と言って皆が同じ負担重量(牝馬は-20kg)である。王者決定戦のようなレースには定量戦が多い。他の多くのレースは獲得賞金などによってハンデが付くレースなので、近走で重いハンデを背負わされて負けている馬も今回逆転が可能と考えてもらいたい。近走を見るとオープン&Aクラスで多く走っている馬とBクラスの馬がいるのがわかる。当然前者の方が格上であるが、3歳・4歳馬の場合、年齢別のレースで稼いだ賞金によってクラスが上がってしまい、年齢別以外のレースでは惨敗を繰り返す馬がいる。
例えば6ツルイテンリュウは近走は散々な成績だが、ばんえい菊花賞を制している実力馬。ばんえい菊花賞BG2(3歳限定)の賞金の分、クラスやハンデがきつくなっていたのである。

それからばんえい競馬では勝利タイムが遅ければ遅いほどパワータイプ、早ければスピードタイプと言える。高重量戦でも天候によっては馬場が雨や雪でジャバジャバになりスピード対決になることもあるので、タイムで今回のレースが向いている馬か向いていない馬か判断する。
このレースに限っては対戦表はあまりあてにあらない。それよりもばんえい競馬情報局にも書かれているように4歳三冠レースである柏林賞と銀河賞、それに加えてイレネー記念やばんえいダービーといった過去の世代最強決定戦を参考にしたい。公式HPから前年までの重賞VTRを見ることができる。

まとめる。
世代重賞で活躍し、なおかつ上位クラスの古馬とも対等に渡り合っている9マルミゴウカイと2フウジンライデンはパワーでは別格。逆に柏林賞・銀河賞で共に2着ではあるが5ホクショウディープはスピードタイプなので軽馬場(馬場水分高い)なら良いが重馬場(馬場水分1%くらい)なら買い控えたい。
馬場水分が2%以下なら負担重量-20kgがより有利になるので女王10ブルーオーシャンと展開がはまり先頭で障害を越えてくれば一発もあり得る6ツルイテンリュウに期待したい。
軽馬場なら乗り替わりで西謙一初騎乗の7タフガイも油断ならない。

本命
馬単
9→2
3連単流し
9→2→5,6、10

抑え
3連単軸2頭マルチ
2,9→2,5,6,9,10

大穴
馬単マルチ
6→2,5,9,10

軽馬場なら追加で
馬単流し
9→5,7
5→6,7,9,10

追記:10ブルーオーシャンは出走取り消し

当日に天候・馬場状態とパドックの雰囲気で切ったり厚く買ったり微調整する。

ばんえい競馬は約1.6mの高さがある第二障害が最大の見せ場。たいていの馬はこの障害の前でいったん止まって(競馬なのに止まる!)息を整えるので横一線に並ぶ。
そして静から動へ、障害を仕掛けるタイミングと馬がまっすぐに、かつ力を入れやすいように上らせるのが騎手の腕の見せ所。馬が全身を使って、さらに騎手も馬の体の一部になったかのようになって登攀する姿は迫力満点。
坂を上り切った後は馬の力と力のぶつかり合い。ここは駆け引きなしに力の限り一歩一歩歩き続ける。
セーフティリードは存在しない。止まってしまえばゴールは近づいてこない。
馬の一発逆転ライブショーという公式キャッチフレーズは伊達ではない。
1番人気馬でも障害で失敗して膝をついてしまったりするとあっけなく着外になることもあるし、馬場水分によってソリの摩擦が変わりレース展開が全然違うものになるため、天候という気まぐれなものが重要な予想ファクターとなる。それがばんえい競馬の予想の難しい所でもあり、高配当が続出する魅力でもある。