発情・排卵に関わるホルモンの波について前回書いた。
ではいつ交配もしくは人工授精をしたらいいだろうか。
授精(交配)適期は①排卵と②卵子の受精能獲得時間、③精子の生存時間によってきまる。自然交配の場合これに④発情(雄許容)がプラスされる。
馬の場合、卵子は排卵後すぐに受精能を獲得し、時間がたつにつれて低下する。精子の生存時間は個体差や状態差が大きいが概ね48-72時間といわれている。また、雄許容は排卵後も24時間持続するといわれている。
卵子の受精能の獲得や精子の授精する場所への到着に時間がかかるような動物だとそれらの時間も考慮に入れないといけなくなり難しくなるのだが、馬の場合それらは無視できるようなので単純に排卵と同時に授精・交配するのがベストとなる。
そして適期は排卵48時間前から排卵24時間後までと計算できる。
ただし凍結精液では精子の活力が低下しているうえに、排卵後の人工授精は早期胚死滅が増えるという報告もあり(卵子の老化?)、排卵12時間前から排卵までの間というごく限られた時間で、しかも明確な指標のない時間帯が適期となる。
卵子の受精能の獲得や精子の授精する場所への到着に時間がかかるような動物だとそれらの時間も考慮に入れないといけなくなり難しくなるのだが、馬の場合それらは無視できるようなので単純に排卵と同時に授精・交配するのがベストとなる。
そして適期は排卵48時間前から排卵24時間後までと計算できる。
ただし凍結精液では精子の活力が低下しているうえに、排卵後の人工授精は早期胚死滅が増えるという報告もあり(卵子の老化?)、排卵12時間前から排卵までの間というごく限られた時間で、しかも明確な指標のない時間帯が適期となる。
結局はいかにして排卵日時を正確に予測し、排卵に近い時間で交配・授精できるかが関係者の腕の見せ所となる。
馬の発情は当て馬やライトニング、膣鏡検査での子宮頚管のたれ具合、直腸検査での子宮の軟化・卵巣の大きさの増加などで知ることができる。ただし、発情が始まってから平均で6日目頃に排卵するといってもぶれが大きく排卵の予測は難しい。
超音波検査をすることで、卵胞の数mm単位での大きさや卵胞が排卵窩に向かって円錐形に変形する様子、子宮の浮腫グレードがわずかに下がる様子が分かり排卵の予測をより的確なものにできるのだが、確立された指標はない。
そこで一回の交配・授精で孕ませたいときには排卵促進剤をつかうことになる。
子宮の浮腫が表れている馬であれば、交配の6~24時間前にhCGを注射することで投与後48時間以内に93%もの馬が排卵すると日本のサラブレッドで報告されており、hCGの投与は非常に有用と言われている。
参考文献
・蔵書4
・JRA育成牧場管理指針生産編第2版