自動運転よりもMT車を、自動車よりも馬を愛でるblog
※車の整備と動物の医療行為は自分の責任の下で行ってください

2019年11月25日月曜日

足回り異音修理

うちのミト・マキナちゃん、急にハンドルがふらつくようになって危険。さすがに足回りにガタが来てるなと思い整備所入り。と思ったらリフトで上げて下げただけで自然治癒!

それでも、前々から低速で段差を超える時にゴトゴトとガラガラの中間のような音がするのと、ハンドルを目いっぱい回すときにギシギシ鳴るのとが治るだろうということで足回り交換を決断。たぶん純正品。

右フロントアッパーマウント取り換え 
左右フロントスタビロッド取り換え
左右リアアッパーマウント取り換え

かかった費用は
技術料 29,000
部品代 49,182

全体で 86,000

県道39号(快適オススメ山道)を走ったがサスペンションの滑らかさが全然違うのが判る!
ミトは最初から段差がお尻に響くスパルタン仕様だと思っていたので、急に高級車みたいになってちょっと戸惑ってしまう。ハンドルの安定感も抜群だけどちょっと曲がりにくくなったようにも思う。気のせいかもだけど。

代車はMTマフラー中央2本出しの3代目デミオ

代車はスポーティなデミオで退屈しないのだが、シフトノブが割れていて掌が痛いので端切れを被せた。
それから、アクセルレスポンスが良すぎでクラッチ操作やアクセル操作がほんの少しでも雑だとガックンガックンなる。これが噂の軽量フライホイールか。
ミトのノーマルモードはクラッチ操作ゆるゆるだし、ダイナミックモードでも発進時にホイールスピンさせないようにさえすれば大丈夫だからクラッチ操作いい加減になってしまっていた。こういう車に乗るものたまにはいいかな。
ヒールアンドトゥを練習していたら同乗者からは大不評に。

2019年10月18日金曜日

マンモス展 永久凍土で待つもの

岩手から始発の東北新幹線はやぶさ102号に乗ると9時には東京駅に着く。
終電は20:20なので日帰りでも11時間ほど滞在することができる。

今回の目的はお台場で開催されているマンモス展(とスイーツビュッフェ)。
6月から開催されているし、フジテレビによる手段を択ばない宣伝がすごいので既に知っている人も多いと思うが、恥ずかしながらブログGRASSの日々折々さんを読むまでは自分は知らなかった。

ちなみにマツコとコラボしてるポスターは「蘇ったのですね」というポスターの下の方に小っさく ※マンモスは蘇っていません と書いてあるのがツボ。

さて、この企画展はマンモスの生きた3万年前の時代、永久凍土から姿を現した冷凍標本、そしてマンモス復活プロジェクトという「過去」「現在」「未来」を繋ぐ壮絶なスケールをもった展示が見どころ
さらには今人気沸騰中のチョコレートプラネットやガチャピンちゃんねる、「わけあって絶滅しました」とのコラボレーション!
音声案内は進撃の巨人の声優梶裕貴とドラえもん南極カチコチ大冒険のマンモス役東山奈央が務める

というのはどうでもよくて(スペシャル動画は全部見たけど)

個人的な興味は世界初公開の冷凍標本「ケナガマンモスの鼻」、「ケナガマンモスの皮膚」、「古代仔ウマ」、「ユカギルバイソン」、「ライチョウ」と、愛・地球博以来の来日となる「ユカギルマンモスの頭部」。
その中でも2018年に発掘されたばかりのレナウマと呼ばれる古代馬の完全冷凍標本。
これのため(とスイーツビュッフェのため)だけに東京に来たといっても過言ではない。
しかし、パソコンで「けなが」を変換すると勝手に「毛穴が」になってしまうのはイラっとする。


詳しくはプロの解説を聞いてもらうとして(日経ビジネス「キュレーターが語る」)、まずなんといってもレナウマ標本が発掘されたロシア・サハ共和国のバタガイカクレーター。
名前もカッコいいしビジュアルがすごい。FODで無料で見れるマンモス発掘ドキュメンタリー番組「発掘!冷凍マンモス ~秘境 サハ共和国を行く~」をみるべし。
冷凍標本はほとんどがロシアでの発掘で、所有もロシアのものになるのだが、上のような冷凍展示室は日本でしか作っていないために世界初公開の冷凍標本をこれだけそろえられたという。
冷凍標本は化石や剥製にはない「生」の迫力がある。
実際、4万年ほど前に冷凍されたと思われるこの馬の尿や血液が液体のまま採取され世界的に注目されているらしい。



仔馬なせいかやけに首が短く見えるが、馬の特徴である蹄や鬣、尻尾、そして消化器(公式HPで解剖写真が見れる)を含めて全体的な体のつくりは今のウマとほとんど変わらない様に見える。
解剖写真は半ミイラ化してるが1枚目が胸腔・腹腔内臓器で左に見えてるのは肛門?。2枚目はたぶん心臓。3枚目が膀胱だろうか?

マンモス展に出品する標本の発掘に行ってたまたま見つかった馬の冷凍標本ということで「マンモス」展で世界初公開となった。そのためか馬業界ではそれほど知名度が上がっていないが、馬の道を探求する者はもちろん、ただただ馬が好きという人でもそれほどグロテスクではないし元がイケメン馬だったようで冷凍されてもカワイイのでぜひ訪れてみてほしい。

2019年11月4日までの開催なのであと残り僅か。火曜日休館だが10月22日は開館とのこと。

ヒルトン東京お台場のスイーツビュッフェはハロウィンバージョン


これはニカっと笑っているように見えると評判のユカギルバイソン

2019年10月17日木曜日

クラシック&スーパーなイタ車 ~ツールドみちのく②

これまでのあらすじ


仕事中にアルファロメオ146とすれ違った。
それだけでも幸運なのだが、よく見るとOFFICIAL先導車と書いてある。
ここでピンとくる。
もしかしてツールドみちのくが沿岸方面に来てる!?

遠野宮守の産直サンキュー市場前を通過中

そして
昼休み返上で産直で待ち構えていたら駐車場がすごいことに!!



眼福、眼福

そして見てしまった。生で。

カウンタック・リバース


前前前世からこのシザードアと今でも古さを感じないスタイリングに憧れていたといっても過言ではない。(※注 Lamborghini Countachの製造は1974-1990年)


どの角度から見ても悶絶もの

20世紀のイタリア車はどうしてこうも人の心を揺さぶってくるのか

カウンタックの後継機ディアブロも

昭和期の大排気量NAエンジンは迫力がすごい


もちろんフェラーリF40も

F40は平成初期のツインターボエンジン
タービンは日本製らしい(IHI)

と、これら誰でも知ってるスーパーカーと一線を画すマニア垂涎イタリア車がこれ

マセラーティ222・4V

高級スポーツカーメーカー・マセラーティの量産車、ビトルボシリーズ。
1993年製なのでクラシックカーといってもまだ若いほうだ
量産車初のツインターボ搭載車で、内装もこだわった日本バブル期の名車だが、またの名をイタリアの動く高級民芸品という

民芸品とはよく言ったもので、精巧で芸術的な内装や整備をしないとすぐに壊れるところをよく表している。


地味めな外見とは裏腹にエンジン音はレーシーかつ割と野太い感じ。
ビトルボシリーズはそこまでスーパーでもクラシックでもない。マセラーティらしい曲線美スタイルもない。当時の先端技術が盛り込まれているが、今となってはそれらも珍しいものではない。
といういぶし銀な存在。
まあ一つ間違いないのはこんな車を世に送り出すということ自体がドラマチック!
バブル景気の日本人にはよく売れたらしい。

マセラーティの詳細についてはマセラティスタの堺正章先生や北方謙三先生に聞くか他のオーナーブログや整備場ブログを参照されたし。「ビトルボ 故障」で検索すれば山ほどヒットする。
みんな異常なほど愛にあふれている

そして、今年のツールドみちのくの公式サイトは全参加車を解説付きで紹介してくれているので勉強になるー!

必見!

ジャガーやアストンマーティンなど英国車や、ドイツ車のお歴々、国産勢のNSX、セリカLB1600GT、etc. etc. も会えてよかった

みんなありがとうー

テンションが変なことに。

夜は夜で釜石道に見たこともない平たくて横長な車発見。
with ミトちゃん

アメ車で間違いないと思うが、ビュイック ロードマスターか?

2019年9月20日金曜日

馬の薬 一覧表

7並べが嫌いだ。
トランプの楽しさはババ抜きやポーカーのようなドキドキ感にあると思うのだが、7並べには手持ちのカードはたくさんあるのに、使えるカードはわずかしかないという苛立ちしか感じない。

同じように馬の薬はなぜこんなに少ないのだと憤慨することが度々ある。
なので一覧表など簡単に作れると思った。
ところがどっこい、途中何度もやめたくなるほど大変だった。それでもなんとかほぼすべてを網羅した一覧表ができた。

大雑把に言って馬は薬の副作用が強く出やすい傾向にある。同じ薬でも用量が牛の半分だったり、使うと致死的な下痢を引き起こす抗菌剤があったりする。
牛の場合、薬を打ったせいで余計に牛の体調が悪くなるという心配をほとんどしない。大腸菌性乳房炎のエンドトキシンショックや創傷性第二胃炎のときに消化管運動亢進薬を打たないようにするぐらいではなかろうか。

この辺りが牛の専門家が馬を診るのを嫌う一番の要因だと思う。

少しでも馬を診てくれる牛の専門家が増えてくれること、そして一頭でも多くの馬の病気が治ることを願ってここに載せる。

↓効能書きに馬が記載されている薬の一覧

※例え効能書きにあっても副作用などに注意が必要なので馬の様子を見ながら慎重に投与するのが原則。
効能書き通りに治療に使う場合、基本的にNOSAIの保険給付になるらしい。

注射薬
Fは自分も使ったことのない薬
Eは条件付きで使う要注意薬


内用薬




↓よく使う順に並び替えたものversion

これに載っている薬で9割以上カバーできると思うのでこちらの方が実践に即したものになっている。
人体薬や馬以外の動物薬の効能外使用も、慣例的にもしくは海外での報告に基づいて当たり前のように使われている場合もあるが、安全性AMR対策食の安全には特に注意が必要それから競走馬であればドーピングにも注意が必要。競馬場に移動してすぐにレースにでることはほとんどないと思うので、競馬場外ではそれほど気にしなくてもいいと言われているが、マイシリンやペニシリンGに含まれるプロカインや、局所投与したステロイド剤や鎮痛薬は10日間以上前の投与でもドーピング検査でひっかかる可能性があるとも言われている。


 一覧表といってもかなり主観の入ったものだし、どこか間違えているという自信がある
最終確認は効能書きに記載のあるものは効能書きを、人体薬や効能外使用は文献を調べて各自行ってほしい。

また、具体的な抗菌剤や駆虫薬の使用計画は既に雑誌やHPに載っていると思う。


7並べに勝つコツは相手の手札を読み、戦略的にパスをすることらしい。
翻って考えてみるに、馬の薬もはじめから効きそうな薬をまとめて根拠もなく使っていると、何が効いて何が効いていないのか判断できなくなり、次の一手が打てなくなってしまう。そうならないように、最低限の薬を使い馬の変化を見ながら次の一手を打っていくというあたりは7並べと同じかもしれない。

2019年5月10日金曜日

ソメスのキーホルダー

 大学を卒業して北海道を離れるときに第二のお母さんが餞別としてくれたソメスサドルのキーホルダー。

質感のいい革と馬蹄型の金具が気に入っていてずっと車のキー用に使っていたが、革部分と金具を繋ぐ部品が外れて失くなってしまった。

ソメスサドルのネットショップをみても同じキーホルダーは見当たらず・・・。

半べそをかきながらソメスの砂川ファクトリーに電話すると。

ちなみにソメスサドルというのは武豊・ルメールなど一流騎手の鞍や宮内庁の馬車具を作っている馬具・革製品メーカーで、砂川というのは日本一長い直線道路で有名な国道12号が走っている北海道の砂川市ね。

キーホルダーをファクトリーに送ってくれとのこと。


で、すぐに修理されて返されました。本当にありがたい!

いつも使ってますみたいな顔で電話したけど、実はキーホルダーしかもっていない。
でもでも新千歳空港に行ったときは必ず空港内のソメスサドル直営店に行って目の保養をしてるし(冷やかしとも言う)、大人の男になったら(精神的に)ベルトやバックを買おうと思っている。

修理代から返送費までサービスしていただいたようで申し訳ないので(いまのところ請求書はきてないのでたぶん・・・)、ここで宣伝。
店舗のある北海道や東京では知名度があるが、それ以外では馬好きでも知らない人もいるようなので。

北海道のメーカーSOMÈS SADDLEは世界レベルの馬具づくりで培った技術を使ってバッグや財布などの革製品をハンドメイドしているが、これがまた本当に素晴らしい(ウインドウショッピングだけど)。
しかも革製品のリペアもしてくれるので、決して安い買い物ではないが一生ものだと思えば買える値段で、馬や馬具をモチーフにしたデザインが多く馬好きにはたまらない。
同じように馬具屋発祥ブランドのエルメスにもよく例えられるが、価格がエルメスよりもひと桁安いし、気軽にリペアを頼めるので本当にオススメ。

2019年5月6日月曜日

釜石道・三陸道で宮城県へ


遠野の道の駅風の丘から宮城県のモーランド本吉までドライブする機会がGW中に2回あった。

はじめは初めて通る新開通区間を含む釜石道・三陸道経路で、次は途中で三陸道を降り、気仙沼を迂回した県道ルートで行った。
県道ルートについては後日。

遠野は桜前線の終着駅のひとつ。GWが桜の見ごろだ。
猿ヶ石川沿いの桜並木もきれいだが、山の中腹に散在する野良桜のたくましさも一見の価値ありと思う。
遠野IC入口

まずは遠野ICから釜石道に乗る。
釜石道は2019年3月に遠野道路と釜石道路が完成し全線開通したが無料で通ることができる。
釜石道は国道4号沿いの東北道と国道45号沿いの三陸道をつないだことで、リアス式海岸という地形の特性上陸の孤島となっていた岩手沿岸の交通の便を飛躍的に向上させた。
70km制限で追い越し車線も少なく、走り心地自体は特にどうということはないが、遠野や釜石の市街地を高い位置から見渡せるのは気分が良い。
ただし、トンネル内は排ガスが充満してスモッグの様になっていることが多いので、エアコンの外気導入を切るのを忘れないようにしなければならない。
釜石仙人峠IC出口

そして、釜石仙人峠ICから三陸道吉浜ICまでは初体験ゾーン。
ここで特筆すべきは時間の短縮。釜石市内は慢性的にごみごみしていて渋滞が起こる区間だったので、その部分をスルーして三陸道に直結できる点は本当に素晴らしい。
さらに、山間につくられたジャンクションが艶めかしい曲線を描いていていてカッコいい。たまらん。
唯一の難点は釜石のイオンに行くにはかなり手前の釜石中央ICで降りなければならず、直結感が薄いところ。また、仙人峠以外の釜石のICが釜石道ではなく三陸道にあったり、釜石中央ICのひとつ宮古側の釜石両石ICやひとつ仙台側の釜石唐丹ICが宮古方面出入口のみのハーフICになっているのが分かりにくく戸惑う人も多いと思う。

とはいえ今回は途中で下りずにノンストップで気仙沼まで駆け抜けるのでこの辺りは問題なく通過。

いや、正確には一回降りた。というのも、釜石道・三陸道にはサービスエリアが一つもなく、まともに休憩をとるには一度降りなければならない。
今回は三陸IC降りてすぐ目の前の道の駅さんりくへ。三陸道の休憩はここがオススメ。

人気の柿ソフトも柿味が強烈で良いが、それ以上に海産物売り場がすごい。大型水槽がいくつもあり、季節によるがアワビ、ホタテ、ワカメ、ウニ、ホヤを買ってお持ち帰りも宅配もできる。これらの質がすごい。

 道の駅さんりく

柿ソフトとあまおうソフト、後ろは海産物売り場

今の時期はホヤ!

そして食事処でも海産物メニューがすごい。4000円(時価?)の生うに丼や、1300円(時価?)の焼きホタテ・刺身ホタテ定食、850円のメカブ丼など、観光客向け料理ではない本物の三陸メニューがある。リーズナブルな天丼やネギトロ丼もおいしい。

さて再び三陸道へ。三陸道も無料なのでもちろん乗り降り自由。



明るいトンネルと海の見える高架の繰り返しが続く。走り心地良好。
陸前高田長部ICを過ぎたさきのトンネル内には岩手県と宮城県の県境が壁にペイントされている。ここも初体験ゾーン。ついに岩手県と宮城県が高速道路でつながったのだ。ここまでの所要時間は休憩込みで1時間半程度。
と、気をよくしていると今のところの終点、唐桑小原木ICで渋滞につかまる。
高速道路が終わったところで左からくる国道45号と合流しトンネルへ。トンネルを抜けた後は気仙沼市街へと下り坂の一本道が続くのだが、これが大渋滞。GWでなくても渋滞する場所なのだそうだが、甘く見ていた。いままでGWでも混雑なく快調に走っていたのが水の泡というくらいのスローペース。この短い区間だけで30分かかってしまった。

唐桑小原木IC

 やっとこさ気仙沼市街へ

渋滞は気仙沼中央ICまで続く

その先も渋滞は続き、気仙沼中央IC(一番上の写真)で再び三陸道に乗ってやっと調子を取り戻す。
そのままもう一度道路の途切れる本吉津谷ICまで走り、あとは国道346号を経由してモーランドへ。

R346の看板を右折

モーランド本吉に到着

予定よりだいぶ遅れて到着。3時間かかった。気仙沼市街の混雑を甘く見すぎていた。GWだからということもあろうが、今年度中を予定しているという唐桑小原木~気仙沼中央の開通まではもう気仙沼に来るのはやめようと思った。
がしかし、諸事情あってGW中にまた来ることになる。どっちのドライブもmitoではないのがまた残念。

おまけ:道の駅さんりくで遭遇
セリカLB2000GT 推定年齢40歳以上!?



2019年4月29日月曜日

ダニ


公共牧野の仔馬の元気がなく下ろしてきた、とのことなので見に行ってみるとコイツが。

ダニ!(マダニ?)

血を吸ってパンパンになると落ちてくる。よく見るとうにうにと足を動かしているが腹が重くて歩けていない。
それでいいのか?とダニアレルギーの自分ですら逆に心配になるが、ヤツらを侮ってはいけない。

青森県の家畜保健所によると、ダニの多数寄生が原因で仔馬が衰弱死した例があるという[1]。

どれどれとお腹の下をのぞくと


多数寄生している!しかも現在進行形で血を吸っている。
貧血対策の鉄剤投与と一緒にとりあえずエクイバラン経口投与。で、翌日にはぽろぽろ落ちて仔馬も快方に向かった。

青森県の寒立馬ではフルメトリン製剤を2分の1に薄めたもの(何で?)を皮膚にかけることでダニ駆除をしているそうだが[1]、皮膚の厚い牛用に作られた薬は馬では皮膚への刺激が強すぎる可能性があり注意が必要と思う。

それで今回は安全面を考えエクイバランを使った。回虫や円虫等の「内部寄生虫駆除薬」ではあるが、血中の円虫にも効果があるということは血を吸う外部寄生虫にも効くかもしれない。青森の例でも実はフルメトリンと一緒にエクイバランの経口投与もしている。

どの薬がダニに効いたのかはわからない。というか、どの薬も効いてるんじゃないかとも、どの薬も効いてなくてただダニがお腹いっぱいになって落ちただけなんじゃないかともとれる。
わかっているのはダニのいないところで飼ってあげるのが一番ということ。

ここで回文をひとつ
鹿山のリスク 馬ダニだ 舞う 薬のまやかし

エクイバランも経皮投与の内外部寄生虫薬(アイボメックトピカル等)も成分はイベルメクチンだ。
この名前は聞いたことのある人も多いと思う。大村博士が2015年ノーベル賞に選ばれる最大の理由になったのがこのイベルメクチンだった。
大村博士はこの薬で年間3億人を寄生虫病から救っていると言われている[2]。平成の北里柴三郎もしくは平成の野口英世とも呼ばれる大村博士。次の千円札の肖像はもう決まりか?

[1] 平泉美栄子, et al. 寒立馬における地域一丸となった衛生対策. 平成27年度獣医学術東北地区学会発表演題

[2] 大村智氏、風土病薬「イベルメクチン」を実用化 アフリカで失明の危機を克服、効果劇的、産経ニュース

2019年3月26日火曜日

岩手のドクペ自販機情報とラベルのアメ車


東北をドライブ中にドクターペッパーが飲みたくなったとしよう。イタリア車に乗っていてもドクターペッパーは飲みたくなる。
そんな時、ヴィレバンや一部の古着屋のような店舗でドクペを売っているところは確かにあるが、東北地方でドクペの自販機を見かけることはほとんんどなく、ドライブ中にふらっと立ち寄って買うというのはかなり難しい。

そこで重要文化財ともいえるドクペの自販機を見かけたら皆で情報を共有して、東北のドクペ難民を一人でも多く救おうではないか。
という企画

エントリーナンバー1番は岩手県民にはおなじみの盛岡駅西口駐車場。この駐車場は30分100円ぐらいだったと思う。この周辺にしてはけっこう高いのだが、その分空きがあることが多くてよろしい。さらにドクペの500mlペットボトルがおいてあるので、駅ビルに行くときは西口に車を止めるのが吉。

すでにお気づきの方も多いと思うが、JR東日本の自販機acureがここのところドクペを普及させようと頑張っている。盛岡駅に続き、遠野駅前の自販機でも500mlペットボトルを発見。仙台駅ホームのacureでもドクペを買った記憶がある。

そんな巨大組織JR東日本に真っ向勝負を挑むのがこの「もとまち(?)」というお店(?)の自販機。市外局番が5桁っていつの時代よ。場所は遠野高校の正門の前。350mlクラブマルチパック缶が100円で買える。高校生が買っていくのだろうか・・・?

ちなみに今更だが、ドクターペッパーはどんな味がするの?という挨拶のような質問に答えるならば、スパイシーでフルーティーとしか言いようがない。薬とか湿布みたいな味を求めているならドクペではなくA&Wルートビアを飲んだ方がいい。
ペプシやコカ・コーラが好きなら近しいものがあるのでドクペも好きになるかなと思うがそうでもないようだ。ガラナ好きとは波長が合うようだが、いまやガラナのほうが市民権を得つつあるように思う。
これら類似のドリンクに比べてドクペが優れているのは、ぶっちゃけ「おいしくない」ところ。日本人なら初めて飲んだ時は誰でもまずいと思うし、ドクペ好きだって正直、「めちゃくちゃウマイ!」とは思っていない。というか、他の炭酸飲料に比べて飲みなれると無駄に主張してこなくなるところが良い。使用してると体に馴染んでくるのよ。ハァハァ。
食べ物との相性も良く、飲み会のソフトドリンクとしてお勧めしたいのだが、どこかの飲み屋でドクペを置いてくれないだろうか。

さて、味のことは置いておいて、どうしても気になってしまうのは新しくなったアメリカンオールディーズ風のラベル(一番上の写真)に描かれている「いかにも」なアメ車2台。

アメ車のブランドには詳しくないが高校生のときから元素記号を覚える語呂合わせ「ベンツ(Be)にGM(Mg)、キャデラック(Ca)は素晴らしい(Sr Ba Ra)」で刷り込まれているGMとキャデラックくらいは知っている。
しかも、これまた岩手県民には常識だがキャデラックなら北上アメリカンワールドにある。なのでちょっと見に行ってみた。

ギャロン

ドォアアアン

オパウ

フロントにド派手なクロームメッキとデュアルヘッドランプ、リアに巨大なテールフィンとバレル型ライト。
そのふたつの間に生じるV8 6.4リッターの圧倒的ピンク空間はまさにアメ車的ラグジュアリーカーの小宇宙!

これぞアメ車というこの一台はキャデラック エルドラドの第三世代らしい(デザインモチーフはロケット!? キャデラック エルドラドってどんな車?)。

しかしラベルの車とはちょっと違うのね。いかつすぎる。ラベルの車はテールフィンがついていたりと、同じ年代であることを感じさせるが、そこまでフロントがいかつくなく、おでこも出っ張っていない。

ではGMはというと、同じ年代のアメリカンドリームカーにビュイック XP-300というのがある(M-BASE第32回 1950年代のアメリカンドリームカー(1))。
黄色いほうの車がこれにかなり近い。これでしょ、とも思ったがサイドのラインなど細部にまだ違和感を感じる。

となるとアメリカビッグ3の最後の一つフォードを調べてみる。
するとメメタァという一台を発見(M-BASE第38回 フォード サンダーバード)。

ライトの形やフロントグリルの感じもしっくりくるし、サメのエラみたいなのもついてる。デート風の黄色い車はこのフォード サンダーバードだろう。

さらにこのサメ鰓カエル目テールフィンの1代目の次に、4灯式ヘッドライトの通称スクエアバーズという2代目があるのだが、これがおそらくラベルのネオンの方の車だ。

というわけで、JR東日本の中の人はドクペファン。ドクペの中の人はフォードファン、私はジョジョファンだったという話。

2019年3月17日日曜日

助産 3つのルーチンと3つのNG


・引っ張るだけが助産じゃない
胎子の肢にロープをかけて引っ張る。助産というとこのイメージかもしれない。しかし、本来「押し出される」はずの胎子を「引っ張りだす」ことは、胎子と母体にとても大きな負荷をかけている。牽引による助産は子牛・子馬の活力を低下させ、免疫の移行にも悪影響があることがわかっている[1,2]ので、むやみな牽引は避けたい。むしろ本当の助産とは、引っ張らなくてもいいようにすることだと言える。
難産の発生率は多めに見ても初産牛で15%、経産牛で5%、馬で10%と考えられる[3,4, 5]。それ以上に牽引している牧場や、お産の死亡事故が5%を超えている牧場は、助産の方法を見直すことを考えてほしい。



・3つのルーチン
そこで、助産の3つのルーチンとしてもらいたいのが①緊急時を見越した準備、②発信履歴での時間管理、③潤滑剤を胎子に塗りたくる、だ。
①助産は誰もが慌ててしまうもの。引っ張る余裕がある所に移動させたり、胎水を吐き出させるために逆さ吊りにしたりする準備は先にやっておかなければならない。
②袋が破けて胎子の尿がでてくる第一破水や足胞出現からの時間は、助産や往診依頼の判断に重要。携帯電話は発信することで時刻つきの履歴が残るので、記録に活用できる。
③第二破水後であれば、アルギン酸ナトリウムや石鹸などの潤滑剤を胎子に可能な限り塗りたくる。これは産道との摩擦を減らすだけでなく、手の物理的刺激による産道の拡張やとにかく触ることで胎子の姿勢の詳細がわかってくるという効果がある。

・3つのNG
逆にやってはいけないのは①一人での助産、②足だけでの逆子の判断、③一方向からのみの牽引、だ。
①一人での助産はアクシデントがあった場合に人・家畜ともに危険を回避できない。
②また、蹄の向きや関節の曲がり方での判断は熟練者でも間違えることがあるので、逆子の判断は必ず尻尾で行う。
③そして一番最後に、するリスクとしないリスクを天秤にかけて牽引の判断をするのだが、左右の足を交互に引っ張ったり、引っ張る方向を上下左右に変えたりすることが大切だ。

1. 杉本仁美, et al. 乳牛の分娩において牽引の程度が新生子牛の活力, 血液ガス, 血清 IgG 濃度に及ぼす影響. 産業動物臨床医学雑誌, 2011, 2.1: 14-19.
2. JRA育成牧場管理指針
3. 乳牛の難産 : 原因,予防,助産および失位整復法 石井
4. 蔵書4
5. 山内亮. 最新家畜臨床繁殖学最新家畜臨床繁殖学, 1998.

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