「家畜共済 薬効別薬価基準表 令和2年度版」に静脈内灌流の項目が新設された。
B点150, A点69
感染症に対する治療の目的で行った場合とする
とある
効果について農水省のお墨付きがついて保険がきくようになったということか?
俗に言うリムパーフュージョン(RLP) のことで、駆血帯の遠位の静脈に薬剤を入れることにより、ターゲットとなる部分(肢端)の薬剤濃度を上げる。
抗菌剤や局所麻酔薬、グリコサミノグリカンなどを全身投与よりも効果的に使うことができる。ヒトでは抗がん剤で行われることがあるらしい。
ターゲットとする部位以外の薬物濃度を下げられると思われるので、副作用の軽減も期待できる。
外傷や手術時の止血作用もあるという噂も。
駆血帯(筋トレ用ゴムチューブなど)と翼状針、アスレチックテープを使う。
最後に駆血帯を外すときに蹴るやつがたまにいるので要注意。
個人的な感想としては、エクセネル全身投与で治らない馬のフレグモーネにマルボシルでRLPをやると効果は抜群だ。おとなしい(弱ってる)馬なら後肢でもできる。
牛は関節炎や関節周囲炎に効きそう。
しかし、問題もある。厳密に家畜共済保険適用について考えるなら薬の効能書きに「静脈投与」と「関節炎・フレグモーネ的な適応症」が必要だが、おそらく該当するのは牛はOTC、馬はサルファ剤しかない。
せっかく手間をかけてやるのだからセフェム系やキノロン系、アミノグリコシド系を使いたいのだが・・・。
まあ点数が設定されたというだけでもありがたいところではある。
参考文献
Adams and Stashak's Lameness in Horses
Current Therapy in Equine Medicine
chapter 117
Regional Limb Perfusion with Antimicrobials
JOEL LUGO
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