自動運転よりもMT車を、自動車よりも馬を愛でるblog
※車の整備と動物の医療行為は自分の責任の下で行ってください

2019年2月25日月曜日

帯広競馬場遠征1 いきなり大穴

何年振りかの帯広競馬場観戦

競馬場も常連さん(名前も知らないけどよく見る常連さんも含めて)もあまり変わっていないようでほっこり。
2018年4月から南関東のSPAT4でも投票ができるようになるなどネットや電話投票が好調でこのところ売り上げが伸びているとの話を聞いていたので、そのぶん本場がどうなってしまったかちょっと心配していたが、ひと安心。

さて、まずはパドック
この日の第7レースは3歳A-1.

年明けての3歳というのは去年デビューしたばかりの若馬たち。そのなかのA-1、つまり重賞ではないが一番ランクの高い馬たちの集うレースだ。


若馬と言ってもさすがは最高クラス。しっかりとした馬体の馬が多い。上の写真の5番ギンノダイマオーは一番人気。眼光鋭くやってやるぜ感が伝わってくる。

ひときわ目を引く尾花栗毛は8番アオノゴッドと期待の若手騎手島津新。でも気合はイマイチ入ってないかな。

4番インビクタもまさに成長中といういい体型に見える。名牝フクイズミと同じ厩務員さんが引っ張る。

ここ2ヶ月ほどはずっと同じような馬場状態、くわえて同じようなメンバー同士の過去のレースも多く、前に書いた荒れるレースの要素はそれほどない。
しかし、若馬のレースできれいに123着が決まるかというとそれも難しい。そう考えると凝り固まったオッズを逆手にとって大穴を狙うのもおもしろい。

出馬表を見てまず思うのは、松井厩舎が4頭出し、そして「アオノ」も2頭出しですごいなというところ。まあばんえい競馬の場合はそれぞれが独立したレーンを走るセパレート式なので他の馬をブロックするなどはなく(平地競馬でもない?)、それほど予想に影響するファクターではないが、それでも手の内を知っている同僚馬がいたほうが、レース展開を読めたり、マークする馬を絞れたりで多少は有利に思う。

オッズは近走の対戦成績をもとに妥当なところで収まっている。となると穴馬は近走は負けているが勢いのある馬。
目を付けたのはパドックで良く見えた4番インビクタ。
ここ3走はすべて4着と複勝圏が狙えそうだが、この馬だけが前走よりも積載重量が+5kgということと、重賞での大負けが影響して7番人気とオッズは高い。
しかし、積載重量増は逆に考えれば勢いがある証拠。重賞とは積載重量が20kgも違いあまり参考にならない。おなじコンビ、同じようなメンバーで4着3回ともなれば次は騎手も仕掛けてくるだろうと予想。

そしてヤングチャンピオンシップ優勝馬1番アオノブラックが4番人気。

逆に重賞で優勝したために出走馬中いちばん重い積載重量となり前走6着となったので人気を落としているものの実力はやはりトップ。馬場状態や展開の予想が難しいが、この2頭のどちらかに有利に働けば大穴が狙えると判断。普段は1000円くらいしか賭けないがここは勝負!

馬券を購入してスタート地点へ。その他の予想法はばんえい競馬予想・初級編を参照されたし。
4を軸にした3連単軸一頭流しマルチで勝負。抑え(といっても穴狙い)は1を軸にした馬単流し。
詳しくない人向けに説明すると、
1から3着までを順番通りにぴったり当てる3連単。それの「軸一頭流し」は軸となる一頭を決めたら、その馬は絶対に入る形でその相手として選んだ数頭との組み合わせすべてを買うことになる。さらに「マルチ」なので軸の一頭が1着の馬券、2着の馬券、3着の馬券すべての組み合わせを買うことになる。
これは軸1頭相手4頭でも36通りとなってとってもお金がかかるのが難点。しかし3連複ボックスなどとは配当金が桁違い。特に軸に選んだ穴馬の順位が上がれば上がるほどどんどんオッズが上がるので、ぶっちゃけほとんど当たらないが競馬を楽しめることは間違いない買い方。

いよいよスタート。
ばんえい競馬は平地と違って枠入りが終わってからファンファーレが鳴ってスターターが旗を振る。

第一障害は小さい山でみんなスムーズに通過するが、この先の道中は筋肉の疲れ具合を見て、息を入れながら第二障害を目指す。ここでのペース配分が後々響いてくる。
ばんえい競馬の場合、「なみあし」というゆっくりな歩き方なので一緒に歩きながら観戦できる。厩務員さんが側道を一緒に走って馬を励ますのもほほえましい。まあ一緒に歩くのは励ますためというより、障害で転倒した場合に厩務員が補助することができるためなのだが。

そして第二障害(下の写真は別レースのもの)。各馬横一線にそろった静寂から一気に各馬登攀を始める。うなる手綱に張り詰める筋肉、そしてソリの金属がぶつかる音。ここがレース最大の見どころ。とにかくいち早く第二障害を越えるのが圧倒的有利のなので、勝負どころの駆け引きがわかりやすい。ばんえい競馬が初心者でも楽しめるの理由はこの辺りにあると思う。

とここで4番のベテラン藤本匠騎手が期待通り強気に障害下までノンストップ作戦。障害下までくると他馬を待たずに真っ先に障害に仕掛け、ひと腰(一度も障害の途中で止まらず)で障害を越える。早仕掛けだと普通障害で苦戦してしまうのだがベテラン匠さすがだ!
4番が1着ならば万馬券確定だ!!!

といっても、障害を先頭でクリアしたからと言って気は抜けない。ばんえい競馬は荷物を運ぶ競馬であるために、馬の鼻先ではなくソリの後端がゴールラインを超えたところがゴール。その前で馬が止まってしまえばどんなに後続に差をつけていても逆転されてしまう。応援にも熱が入る。
「匠ぼえーーーー!!」
※ぼえ:追え

道中強気に行ったせいで後半はちょっと厳しいか?あとから来た1番人気の5番に追い付かれ、2番も近づいてきた。残り150m。
この2頭に抜かれても4番が3着に入れば100倍近いオッズのはずだ。いやなんなら上位は3番でも1番でもいい。4番さえ3着以内に入れば大穴的中だ。
「しっかりぼえーーーー」
ゴール板前は大混戦。とここでかなり差が開いた6番手で障害を降りてきた3番赤い帽子がものすごい勢いで追い込んでくる。先を行く5番と4番の脚が鈍る。いつ止まってもおかしくないような疲労だ。
「うわーーー。あーーー。」
もう3番が一着は間違いない。そのあとは5か?2か?4番万事休すか?
と、ソリがゴールを超えたか超えてないかのところで5番が止まる。
「!!!!」

結果はどうなった!?
はずれ。
結果だけ見れば順当に3番人気→1番人気→2番人気で決着。過去3走4着だった大穴4番は今回も4着。

成績表だけ見るとなんてことのないレースでも、いろいろな人馬のいろいろなドラマが詰まっていると身をもって感じることとなった。

2019年2月23日土曜日

立丸峠トンネル開通


立丸峠の立丸第一トンネルが平成30年12月に開通

一般国道340号『立丸峠』工区が全線開通しました!

国道340号は復興のシンボルとして有名な陸前高田の奇跡の一本松近くから始まり、北上山地の山々の間を縫って遠野・葛巻を経由し、八戸まで続いている。

沿岸の国道45号や内陸北上川沿いの国道4号で北東北を縦断するのでは生温い。岩手の国道の粋は北上山地を南北に貫く唯一の道・国道340号にあると言える。

といっても、難所に次ぐ難所だった国道340号もバイパス化やトンネル化が進み、立丸第一・第二トンネル開通によって残る難所は宮古市と岩泉町をつなぐ押角峠のみとなった。
ちなみに押角峠も2020年度に押角トンネルが開通する予定で、実現すれば国道340号にすれ違い困難区間がなくなる。

今回はトンネル開通によって、人々の記憶から薄れ行くであろう峠を倍速で楽しむ企画。
あくまでも倍速再生であって、別に時速100kmで峠を爆走しているわけではないことに注意。
紅葉・夜道・雪景色の立丸峠を堪能あれ。

遠野側 秋 mito 1.4Tスポーツ

遠野側は平成28年の台風被害で至る所で道路が半分流されていてかなり危険だった。
この時は交通量が少なかったが、時間帯によっては復興工事の大型ダンプや、グラップル付き木材運搬トラックがけっこう通っていてすれ違いには待避所まで戻らないといけないこともある。

宮古側 冬peugeot206 S16 夜Probox 1.5DX 4WD 

宮古側は本当に山の中。沢を越える180度ターンの連続と急勾配で、積雪時には通れるか通れないかギリギリの勝負をすることもしばしば。
206s16で山頂付近でタイヤがパンクしたときはハンドルがひたすら谷側に持っていかれて、呪いで谷に吸い込まれているのかと恐怖した。

番外編 立丸峠の動物たち

鹿はとにかく危険。目が合うとなぜか飛び出してくる。タヌキをよけた拍子に206s16でドリフトしたこともあった。206s16はエンジンが重いせいかFFなのに後輪が滑る。
動画はないけど道路をネズミが横切るのを見ることもよくあった。運転に集中していると小さい動物も意外と見える。

2019年2月12日火曜日

歯磨きならぬ歯削り

まじめに歯を磨かない子供だった。
そんな私に母は、
それじゃあ歯こすりでしょ、言葉通り磨くように歯ブラシを使わないといけないよ
とよく注意した。

なるほどその通りだといたく感心したが、結局いくつかの虫歯を作ったために今も大嫌いな歯医者に通院している。

馬は歯磨きはしないし、磨かなくても虫歯になることはほとんどないようだが、磨くの上を行く「歯削り(歯スリ)」をする。

というのも、馬の永久歯は次から次へと伸びてくる特徴がある。それでも通常ならば、草をすり潰すときに一緒に歯も削れていくので問題は起きない。
しかし、栄養価の高い穀物を多く食べる競走馬や年を取った繁殖牝馬、歯の抜け変わり最中の若馬はうまく削れずに不自然な歯並びになってしまうことがある。
そのために尖った部分を歯のヤスリ(歯鑢)で整える「鑢整」が必要になる。

上の外側を既に削ってあるが、矢印が口内炎

馬の歯には他にも特筆すべき特徴がある。
まず、臼歯は上の歯列よりも下の歯列のほうが少しだけ内側にあり、草をすり潰す面は「ハ」の字になっているのだが、鋭角の部分(下図)がだんだん尖ってくる(斜歯・エナメルポイント)。
また、上の歯列よりも下の歯列が奥にずれていて、年を取った馬は上の歯列の手前(口側)と下の歯列の奥(喉側)がどうしても尖ってしまう(フック)。

それにしても、口内炎というのはどうしてこうも痛いのだろうか。鏡で見ると小さな白っぽい潰瘍がちょこんとあるだけで、それほど痛そうには見えないが、これがあるだけで食事はおいしくなくなり、今日も一日頑張ったけれど何もいいことがなかったと傘を忘れた日に限って降った雨の中路上でぺちゃんこに踏まれた空き缶を眺める信号待ちの午後3時55分という気分になると言っても過言ではない。


歯の尖った部分が当たることで口内炎ができるとなると、もうチョ〇ラBBも効かない。
馬だって一日中どんより曇った気分になるに違いない。
獣医に頼んで削るしかない。
ちなみに、海外には馬の歯医者の専門学校があり馬の歯科技工士も多くいるそうだが、日本には馬の歯を専門にしている人はごく少数しかいない。その上獣医ならだれでもできるかというとそんなことはない。むしろ、むし歯(齲歯:血行性にできることもある)や歯周病(歯槽骨膜炎)の時の抜歯などの「歯の治療」は本当に奥が深く、並の人間は手を出さない方がいい。
それでも「歯のメンテナンス」なら機会があればぜひチャレンジしてほしい。

歯鑢と開口器があれば準備は完璧。なくても歯槽間縁から手を口の中に入れ舌を握ることで口を開けることができるし、素手で口の中に手を入れて手が切れるんじゃないかというほど痛い部分があればそれが斜歯・エナメルポイント。
手で触ってイタイ。いわんや頬や舌をや。

歯スリに使うヤスリ「歯鑢」
使う場所や使い手の好みによっていろいろな形がある

メンテナンス方法は一言でいうと、「正しいかみ合わせを作る」。
上述の過剰に伸びた部分を削り、上外側と下内側は逆ハの字45°に、かみ合わせ部分をハの字10°~15°に鑢整。削りすぎは歯髄の露出や咀嚼面の平坦化、唾液の通り道の消失、歯の寿命を早めるなど様々なデメリットがあるので、階状歯や波状歯でも一度に無理をせず、数か月間隔で何度か行って直した方がいいように思う。

また、当然のことながら若馬の歯のメンテナンスをする場合は、歯の抜け変わりの知識が必要。しかし、これがなかなか難しい。
概ねはBTCニュース62号「馬の歯のハナシ」に載っている時期に生え変わるのだが、個体差は大きいし、最初のうちは見てもどれが乳歯だか永久歯だかわからないし、どこまでが前臼歯でどこからが後臼歯かわからないと思う。これは経験を積むしかない。

覚え方としては ※( )は乳歯
出生 切歯(1) 前臼歯(3)
1年 切歯(3) 前臼歯(3) 後臼歯1?
2年 切歯(3) 前臼歯(3) 後臼歯2?
3年 切歯1(2)前臼歯2?(1)後臼歯2
4年 切歯2(1)前臼歯3?   後臼歯3
切歯は2年半から1年ごとに1本ずつ生え変わり。前臼歯は2年半から半年ごとに1本ずつ生え変わり。一番奥の歯は3年半くらいで生えてくる。
同じ馬齢でも1月生まれと7月生まれでは半年違う。

参考文献
Equine dentistry (J Easley, GJ Baker 1999)

2019年2月5日火曜日

時速110キロ制限区間

ぶれちゃった

今更だが高速道路の時速110km制限区間の話。

時速110km制限区間と言えば新東名が有名だが、岩手県にもある。
新東名の新静岡~森掛川から1ヶ月遅れた2017年12月に、東北自動車道の花巻南~盛岡南も時速110km制限区間となった。

で、自分は夏になってから初めて走った。不思議なことに、アウトバーン化して恐ろしいスピード狂が集まっているかと思いきや、むしろ皆余裕をもってゆっくり走っているという印象だった。

そもそもスピード狂は制限速度無視するもんな

個人的な印象としては、100km/h以上で走る「とばす」車と100km/hで走るマイペースな車の見分けがつきやすくなったことで追い越しがスムーズになって、抜く方も抜かれる方もストレスがなくなったのかなという感じ。

2車線の高速道路だと”遅い車がより遅い車を抜くときに追い越し車線が渋滞”とか、"追い越した方がいいか、隊列を組んで同じペースで走った方がいいか迷う"とかいうときにストレスを感じることが多かったのかと思う。

まあ、ストレスの多い少ないと事故の多い少ないはまた違うだろうから大切なのはそこではないのかもしれないが、事故もそれほど増えておらず、110km/h制限の試行は成功というのが地元民や行政の多数派と思われる。

そんなこんなで、2019年3月1日からはなんとこれらの区間の制限速度が120kmに引き上げられるそうだ。

そうなるとこんどは100km/h以上出すと急に乗り心地が悪くなると輸入車乗りがよく言う国産車が心配ではある。都市伝説ともとれるが、最近は重心の高い車が多いし、特に軽自動車なんかは性能をフルに使って余裕がなくなるだろうし、運転手のストレスが増えないとも限らない。

ま、うちのマキナ・ミトちゃんは120キロくらい出すとやっとメーターの針の位置が視認性のいい上3分の1にくるという変態仕様なので制限速度引き上げは大歓迎。

外気温が-18.5℃になっているのは故障ではなく去年の2月末

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