7並べが嫌いだ。
トランプの楽しさはババ抜きやポーカーのようなドキドキ感にあると思うのだが、7並べには手持ちのカードはたくさんあるのに、使えるカードはわずかしかないという苛立ちしか感じない。
同じように馬の薬はなぜこんなに少ないのだと憤慨することが度々ある。
なので一覧表など簡単に作れると思った。
ところがどっこい、途中何度もやめたくなるほど大変だった。それでもなんとかほぼすべてを網羅した一覧表ができた。
大雑把に言って馬は薬の副作用が強く出やすい傾向にある。同じ薬でも用量が牛の半分だったり、使うと致死的な下痢を引き起こす抗菌剤があったりする。
牛の場合、薬を打ったせいで余計に牛の体調が悪くなるという心配をほとんどしない。大腸菌性乳房炎のエンドトキシンショックや創傷性第二胃炎のときに消化管運動亢進薬を打たないようにするぐらいではなかろうか。
この辺りが牛の専門家が馬を診るのを嫌う一番の要因だと思う。
少しでも馬を診てくれる牛の専門家が増えてくれること、そして一頭でも多くの馬の病気が治ることを願ってここに載せる。
↓効能書きに馬が記載されている薬の一覧
※例え効能書きにあっても副作用などに注意が必要なので馬の様子を見ながら慎重に投与するのが原則。
効能書き通りに治療に使う場合、基本的にNOSAIの保険給付になるらしい。
注射薬
Fは自分も使ったことのない薬
Eは条件付きで使う要注意薬
内用薬
↓よく使う順に並び替えたものversion
これに載っている薬で9割以上カバーできると思うのでこちらの方が実践に即したものになっている。
人体薬や馬以外の動物薬の効能外使用も、慣例的にもしくは海外での報告に基づいて当たり前のように使われている場合もあるが、安全性やAMR対策、食の安全には特に注意が必要。それから競走馬であればドーピングにも注意が必要。競馬場に移動してすぐにレースにでることはほとんどないと思うので、競馬場外ではそれほど気にしなくてもいいと言われているが、マイシリンやペニシリンGに含まれるプロカインや、局所投与したステロイド剤や鎮痛薬は10日間以上前の投与でもドーピング検査でひっかかる可能性があるとも言われている。
一覧表といってもかなり主観の入ったものだし、どこか間違えているという自信がある。
最終確認は効能書きに記載のあるものは効能書きを、人体薬や効能外使用は文献を調べて各自行ってほしい。
また、具体的な抗菌剤や駆虫薬の使用計画は既に雑誌やHPに載っていると思う。
7並べに勝つコツは相手の手札を読み、戦略的にパスをすることらしい。
翻って考えてみるに、馬の薬もはじめから効きそうな薬をまとめて根拠もなく使っていると、何が効いて何が効いていないのか判断できなくなり、次の一手が打てなくなってしまう。そうならないように、最低限の薬を使い馬の変化を見ながら次の一手を打っていくというあたりは7並べと同じかもしれない。