馬の子宮深部注入
ついにワールドスタンダードな馬の人工授精(AI)および胚移植(ET)のやり方が日本語の活字で発表された。
「障がい者や初心者に安全な馬の新しい生産法」
~凍結精液による人工授精・受精卵移植法の手引き~
前にも書いたが、馬のAIやETの礎を築いたのは日本人だった。しかしその後すぐに日本はモータリゼーションに突入。使役馬の需要が減り、馬の生産が競走用のサラブレッドに偏っていった。自然交配しか認められない品種であるサラブレッドではそれらの技術は不要となり、研究も発展もしなくなった。その一方、海外では安全で便利な方法としてAIや凍結精液、ETが研究され発展・普及していった。
そして現在、日本はごく一部の乗用馬や重輓馬でAIは続けられているが、ガラパゴス化の感は否めない。
ガラパゴスもそれはそれで大変貴重だが、もはやガラパゴスAIに使う器具はとっくの昔に廃盤となっていて手に入らない。馬のAIのために道具を自作しているという話も少なからず聞く。
さすがにそろそろフランスのIMV社やドイツのminitube社から出ている市販品を使ったワールドスタンダードなAIにシフトしていく頃合いだろう。個人輸入(ebayでも?)だけでなく凍結精液の輸入代理店に頼めば購入できるのではないかと思う。
IMV社製の馬用深部注入カテーテル(ゾンデ)
マンドレル(心棒)で精液ストローを挿入
さらに押して精液注入
先に嵌ったストローごとマンドレルを引き出す
また、液状精液や、凍結精液を融解した後にストローから希釈液に混ぜて注入する際につかうのは下の器具。深部注入カテーテルよりは短いが、牛用シース管よりも長く柔らかい。先は先端開口型。管の中の容量は5ml程度なので、チューブ内の液を押し出すときはその分の空気で押し出す。希釈精液5mlの注入ならチューブ内を精液で満たした状態でシリンジとつなげるゴム部分を折り曲げればシリンジのゴムに精液を触れさせることなく注入できる。
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