自動運転よりもMT車を、自動車よりも馬を愛でるblog
※車の整備と動物の医療行為は自分の責任の下で行ってください

2017年10月31日火曜日

紅葉ドライブ 雨の立丸峠



この後のふたつの台風で山頂はほとんど散ってしまった。
今年は紅葉の当たり年なようで、岩手県内はどこも例年以上にきれいな紅葉が見られていただけにちょっと残念。
里の方はまだまだ見ごろで11月の3連休まで楽しめるかと思う。
昨日は雪がちらつく場所もあったけど。

2017年10月27日金曜日

馬力大会もいよいよ大詰め

東北地方では巡業のような形で北海道でいうところの草ばんば大会が行われており、これを東北馬力大会という
宮城県涌谷町の桜まつりから始まった馬力シーズンも残りわずかで、自分が知るところでは青森県であと2回。

10月29日 中泊町尾別 竹内産業敷地内
11月5日 六ケ所村尾鮫漁港特設会場 六ヶ所産業まつり



馬力大会は興味深いのだが「ザ・地元祭り」なのでよそ者にはなかなか開催日と開催場所を知ることが難しい。 その地元感がまた面白いのだが会場の雰囲気も観光客にはなかなかにハードだ。
中泊場所(相撲のように○○場所と呼ぶらしい)は、グーグルで「竹内産業」で検索すると武田小学校の近くのところがヒットするけれどそこではなく、尾別字浅井の津軽開発協同組合というところの砂置き場に馬橇らしきものとU字コースらしきものが見えるのでたぶんそこだろう。たぶん。
六ヶ所場所はお祭りの中の一イベント。今年のポスターがネット上では見当たらないが、六ヶ所村のHPによると鮭のつかみ取りや歌謡ショー、吹き矢大会、理科教室、農海産物オークションなどイベント盛りだくさん。ちなみに馬力の参加賞は鮭かホタテ(その日の漁獲しだい)らしい。
写真は外ヶ浜の馬力大会に行った時のもの。場所は外ヶ浜町役場の裏。


2017年10月25日水曜日

30代

30歳になった。
昨年は20代最後の年と焦っていた。仕事でもプライベートでも20代でやり残したことはないか?30代にふさわしい人間に自分はなれるのか?と。そして30歳といえば立派な大人の仲間入り、というイメージがあった。
しかしいざ30歳になっても何も変わらなかった。
年を取るだけで都合よく人格が変わるわけもないのは当たり前なのだが、がっかりした。

40歳を不惑というのはよく知られているが30歳は何というか。
孔子曰はく「三十而立(ジリツ)」
孔子は30歳手前のころ牧場で牛や馬の管理をしていたらしい。少し親近感を感じる。そしてその数年後から弟子を取り教育に力を入れることとなる。思うに、而立というのは自分の中で学んだことをまとめるというようなことではないだろうか。それが不惑につながっていくのではないか。
学ぶものがたくさんあるということは惑わせるものがたくさんあるということでもある。
静 vs 動、新 vs 旧、家庭 vs 仕事、調和 vs 自我、慣習 vs 新知見 etc...
今後は、ただ知識や経験を増やすのではなくそれをまとめられるようにならなければならない。

そこで浅はかなる私は、中身ではなく身の回りから変えることにした。
外見を気にしてばかりだと中身のない人間になるという批判はもっともであるが、まずは鏡の中の男から変えていこうという考えも嫌いではない。
つまりmitoを購入した。

外見から入るといったが、写真で見るmitoはあまりかっこよくない。特に日本の各メーカーが現在ラインナップする「ハイグレードなかっこいい車」とは全く違う。しかし実物を見てもらえばわかる。結婚指輪のような曲線と筋肉のような盛り上がりでできたボディは360°どの角度から見ても愛くるしくかつスポーティーである。

乗り心地はボディ剛性と伊仏車お得意のリアサスペンションの魔法の棒(トーションバーとも言う)のおかげでカーブが車を曲げるような錯覚をおこさせるオンザレール感。いままでの感覚では遠心力に負けそうなカーブでも速度を落とさず曲がってくれる。
エンジンはNモードだとかったるい所があるが、Dモードにすると右足に対するレスポンスが鋭くなり、ヒューンという音とともにターボにオーバーブースト機能がかかり猛烈なトルクを生み出す。

こうしてこれが大人の走りかと納得していた

が、1週間前に慣らしを終えてエンジンの回転数を上げていったところ違う世界が見えてきた。5000回転にむけて回転を上げていけば上げていくほど盛り上がるトルクとパワー。ターボラグを感じさせない、2000ccNAエンジンに近いフィーリング。そう、Nモードこそこの車の魅力であると気が付いた。
もちろんタイムを競うならDモードの方が早いだろう。速さを求めるのなら最大トルクは低回転からフラットに得られた方がいいだろう。しかしエコカー全盛のこの時代に、エンジンをグルグル回して、山林に光合成の材料を存分に提供しながら走るmito 1.4TスポーツのNモードは見方によってはこれ以上ない贅沢ではないだろうか。

mitoの魅力はまだまだ底知れない。完成品でもなければ最大公約数的なものでもないがそこがまた魅力である。30代についてもまだ完成を求められているわけではないし、小さくまとまる必要もないと思う。ネガティブにならず今まで見えなかった世界を楽しんでいきたい。
ばらばらに集めたものを吟味し、自分なりに分類分けして積み上げるには、そのものをよく知り、自分をよく知ることが必要だ。それが而立の「立つ」もしくは「立てる」なのだとmitoに教わったようだ。

mitoは雨も似合う

2017年10月21日土曜日

仔馬臍ヘルニアのゴムバンド非観血的整復


三陸でマツタケが取れるこの時期は仔馬のヘソが取れるシーズンでもある。
といってもヘソがにょきにょき出てきたら困ってしまう。ここで取れるヘソはもともとの出べそで6か月齢になっても自然治癒しない還納性で無疼痛のもの[1]だ。
道具は羊や豚の去勢・断尾に使われるイージーカットとかイラストレーターとかいう名前のものを流用する。大手ネット通販や酪農用品サイトなどで売っている。トップの写真がゴムリングをつけた直後のもの。このヘルニア輪は3指幅で野球ボール大の出べそだった。

2~3週間後(水で洗ったところ)

3~4週間後

4~5週間後

瘢痕もしだいに消失してきれいになる。

この方法は人によって鎮静下立位でやったり[1]、全身麻酔下仰臥位でやったり[2]するが、誤ってヘルニア嚢内の腸管を巻き込まないようにするには熟練者以外は仰臥位がベストだろう。また、ヘルニア輪の適応範囲も3指幅以上[1]とするものや、7cm未満[3]とするものなどある。いずれにしてもゴムバンドでの整復に危険を感じたら外科手術に切り替えるべきだ。
この方法は見た目の乱暴さそのままに多くのリスクを含んでいる。周囲の皮膚の感染や創部からの腹部の離開、潜在的で重大な腹腔内感染の危険がある[2]。適切な環境と手慣れた術者がいれば観血的整復(外科手術)を行ったほうがリスクが低いだろう。しかし、そんな環境はどこにでもあるわけではないし、なによりゴムバンドによる非観血的整復の方が経済的である。

参考HP
[1]北の研究室から:当歳馬の臍ヘルニア(JRA日高育成牧場)http://www.equinst.go.jp/JP/kita/heya1207.html
[2]Battle of bulge: dealing with umbilical hernias (horse talk)
https://www.horsetalk.co.nz/2012/12/02/battle-of-the-bulge-dealing-with-umbilical-hernias/
[3]馬獣医のよもやま話:出べそ(臍ヘルニア)について(日高軽協だより)http://www.hba.or.jp/yomoyama/yobmoyama052.pdf

2017年10月17日火曜日

mitoの16インチ冬タイヤ

10月5日に車の気温計が0℃になった。
もう東北は冬だ。

しかし、mito 1.4Tスポーツはご自慢のブレンボ製巨大ブレーキキャリパーがホイールに干渉してしまうのでどこの馬の骨ともわからないようなホイールは受け付けず、したがって冬タイヤのホイール選びには難儀する。
これは夏タイヤのアルファロメオ純正17インチホイール

mitoスプリントの純正16インチホイールはブレンボ対応とのネットの情報を頼りにオークションでそれを購入したものの。。。

試しに履かせてみるとタイヤが回らない!!

目の前が真っ暗になりかけたが、よく見るとホイールバランス用のおもりがキャリパーに当たっていた。ホイール自体とは隙間1mmくらいだけどなんとか当たらない。
なんとかして!と整備士さんに助けを求めたところ、外側ギリギリにおもりを張ることでキャリパーをよけれたとのこと。タイヤに関しては安物買いの銭失いにならないようにNANKANGと迷ったがYOKOHAMAで調達したために、バランスおもりの量が少なくて済んだのもよかった。ひとまず安心だが、このクリアランスで雪道を走って問題がないかは走ってみないとわからない。
11月になったらタイヤ交換する予定。。。
バランスおもりが外側ギリギリ

2017年10月16日月曜日

牛と馬の倒し方(ロープスクィーズ)

実は牛は簡単に倒せる
がんばれば一人で、がんばらなくても2,3人いれば倒せる。
どうして牛が胴体を締めると倒れるのかはよくわからないが、知っておくといつか役に立つかもしれない。
"rope squeeze"で検索すればいろいろ出てくる。

方法① BURLEY method もしくはcrisscross method などと言うらしい

方法② reuff's method 首は締まらないように注意

具体的には方法①は子宮捻転の整復の時に、方法②は子牛の諸々の処置(昔は去勢で専ら使われていた)の時に使う。
牛はそもそもα2受容体作動薬をちょこっと打つだけで倒れるのでらくちんである。

一方、馬は倒れない。倒したり寝かしたりする調教方法もあるが、けがの時などは一からやっていられない。α2受容体作動薬でも倒れない。
しかし子馬なら方法②に近いやり方で胸部分に3重くらい巻きつけることで倒れる。

また、この方法は新生仔馬不適応症候群neonatal maladjustment syndrome(ダミーフォール)の治療法Madigan foal squeezeとして注目されている[1]。仔馬が産道を通り抜けるときの圧迫刺激を人工的に与えることで、子宮の中にいる"胎仔"から生れ出た"仔馬"になるスイッチをおすことができるとかなんとか。

参考HP
[1] the manual of equine neonatal medicine
http://www.equineneonatalmanual.com/foalsqueezing

2017年10月15日日曜日

ミト 1か月点検とオイルフィルター交換


愛蛇の1か月点検は無事に終了した。
大きな故障はなし。エアコンスイッチのライト不点灯とリアウインドウォッシャー不良は保証期間中でもあり無料で直してもらった。
エアコンスイッチのライトは苦労してパネルを外してもらったところLEDだったため基盤ごと交換するしかないように思えたが、整備士さんがゴニョゴニョやって戻してみると治っていた。ウインドウォッシャーは途中でチューブが外れていたとのこと。

普段は見られない愛車のおなか側

普通の+ネジでとめてあるカバーを外したところ

後ろ
このトーションビームがたまらんね

さらに素人には交換不能との悪名高いmitoのオイルフィルター交換。フィルターがある部分(矢印)を下から上に見上げたところがトップの写真。写真右が車のフロント側。
オイルフィルターの上に被さっている遮熱カバーがわずかに目視できるが、そのカバーを外すネジは全く見えない。ネジは3か所。しかし、場所がわかっても手と工具が入る隙間はタービン(日本のIHI社製!)に邪魔されて全くない。アルファロメオ(というよりフィアット)はmitoにターボをつけるつもりが最初はなかったか、設計者が酔っぱらいながら設計したか、経営陣がおちゃめかのどれかもしくは全てだろう。
 遮熱カバーにはトルクスの30。プラスチックのフィルターケースには六角ソケットの27とミニマムなレンチが必要。

整備士さんから「全く割に合わない仕事」との最大限の賛辞をいただいた。
DIYでやるにはかなりの覚悟がいる。某カー用品店のレジのおねえさんは会員なら無料でやりますと言っていたがはてさて。

2017年10月5日木曜日

鼻涙管洗浄

馬の流涙症は割とみられるが鼻涙管炎(涙嚢炎)のことが多い。
馬臨床学(蔵書1)やメルクvetマニュアル(蔵書2)には確定診断に色素点眼やレントゲン検査が必要と書かれているが、とりあえず洗浄してみる。
鎮静下で留置針の外筒を鼻側の開口部に挿入してマイシリン生食を注入すると(過度に圧力をかけないように!)、内眼角の2か所の涙点から白い粘液がでろでろ出てくる。粘液がなくなり開通すると砂漠で目から赤い液を噴出するトカゲのように注入した生食がピューと出るほどになる。
重症だとカテーテルを2~3週間留置したり、生後3~4か月に見られる先天性の鼻涙管口閉塞の場合は膜を切開する外科的処置が必要になったりする(蔵書1)らしいが、それにはまだ遭遇したことがない。

ちなみに、家畜比較解剖図説(蔵書3)を読むと
”・・・上、下眼瞼内縁に臨んでそれぞれ裂隙状の涙点lacrimal points(馬で幅2mm)があって、短い膜性の涙小管lacrimal ductを通じて漏斗状膜性の涙嚢lacrimal sacに連絡する。涙嚢は上顎骨涙嚢溝の起部におさまり、これより膜性の鼻涙管nasolacrimal ductが上顎骨の骨性涙管(鼻涙管)、涙溝中を走り最後は再び膜性鼻涙管となって外鼻孔腹縁・・・で腹鼻道に鼻涙口で開口する。”
と、涙の排出路だけでも羊を数えるより眠くなるほど複雑であることがわかる。

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