自動運転よりもMT車を、自動車よりも馬を愛でるblog
※車の整備と動物の医療行為は自分の責任の下で行ってください

2018年2月25日日曜日

オイルフィルター交換に四苦八苦五時間


1か月点検の時にプロの整備士さんにmitoのオイルフィルター交換を教えてもらった。
これは難しいと言いながらもスマートに交換した整備士さんを見て自分でも一丁やってみようとなった。
206s16のオイルフィルター交換は本当に楽ちんだった。ナンバープレートの裏側を覗くとにょきっと青いフィルターがオイルパンの近くに突き出ている。フィルターに適合するソケットが手に入らず(ディーラーにもないと言っていた)、力を入れすぎるとフィルターケースをへこませてしまう汎用品を使っていたが、エコとは無縁の20世紀のこの車は金属製のフィルターケースごと交換する仕様だったので問題は起きなかった。

206のメンテナンスのしやすさはさすがグループAのラリーカー

mitoはまずプラスねじ9本でとまっているアンダーカバーをはずす。とここで早くも問題発生。白いシミは冷却水漏れではなかろうか。あわててタンクを見ると半年でMAXからMINぎりぎりまで減っている。危ないところだった。

けっこう重いカバー

オイルはオイルレベルゲージの穴から上抜き。ターボの近くに手を入れるため、火傷しないようにエンジンオイルは温められない。そのため粘度が高く吸い出すのに物凄い時間がかかる。
訓練の成果で、吸気口からエアクリーナーへのエアダクトとエアクリーナーからターボへのエアダクトの間の隙間からオイルフィルターの遮熱板の3つのネジが目視可能になった。
ネジはトルクスのT30。
これさえわかれば後はスムーズにいくと思ったのだが甘かった。写真上側のふたつはターボとエンジンに挟まれてスペースがなさ過ぎて触れないしL字レンチも届かない。仕方がないので車の腹側からアプローチしようとしたが冷却水のホースが邪魔でやはり手が届かない。

右前輪のほうから覗いたところ。矢印が遮熱板のネジ。

万事休すかと思われたが偶然にか故意にかはわからないが写真左上のネジがちゃんと止まっていないのかネジごとカバーがゆるゆる動いた。さらに遮熱板のこちらがわがボロボロになっている。

六角プラグへの道が見えた

これはいける!
カバーをつけたままフィルターを取り外せそうだ。
用意していたソケットレンチは到底入りそうにないので、あわててホームセンターに行って27のスパナを購入。

ギリギリだけど入った

スペースが狭くて大変だがスパナを表にしたり裏にしたりしながら少しずつゆるめていき、ついにフィルターケースが外れた。
中のフィルターとケースのゴムリングを新品に交換。
フィルターケースの締め付けトルクは25.5Nm厳守とのことだが、ちょうどいいところまで行くと急に固くなるので手の感覚でたぶん大丈夫だろう。

頭は六角の27

2017.10.30  56,266km → 2018.2.23  64,338km
8,072km走った。途中1か月近く乗らない時期があったのでまあこんなもの。
安いオイルで4,000kmで交換するよりも、良いロングライフなオイルで8,000km走ろうという当初の計画通りであった。
この間の燃費15.3km/L、平均速度53km。冬になって燃費が上がった。良いオイルのおかげかもしれない。


ちなみに整備工場からもらった見積もりは
オイル持ち込みなら工賃1.5倍で6,966円
オイルもお任せすると13,370円

今ならわかる。これは格安料金だ。

所要時間
5時間

今回使用したもの
8100X-clean 3L
オイルフィルター
プラスドライバー
トルクスT30レンチ
27スパナ
オイル吸うやつ
オイルジョッキ
油圧ジャッキ
ペンライト
オイル受皿

2018年2月24日土曜日

馬の性周期におけるホルモン支配

馬の性周期における血中ホルモン濃度の変化

本格的な馬の繁殖シーズンが到来する前に基本的なところをおさらいしたい。

馬は日が長くなってきたことを視覚で感じることによって繁殖機能が活性化される。これを長日性の季節繁殖動物という。具体的には日本では3月ごろから性周期が回り始める。
この性質を利用してライトで照らすことで人為的に春を作ることもできる。冬至ごろから1日が14.5時間の明期と9.5時間の暗期となるように馬房にライトをつけることによって、通常よりも1か月半ほど早く初回排卵をおこさせる方法(ライトコントロール)がサラブレッドでは普及している。

発情と排卵の仕組みを噛みくだいて記すと(本当はもっと複雑で神秘的)
まず脳下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)によって卵巣で卵胞が発育する。
卵胞からはE(エストロジェン:卵胞ホルモン)が分泌される。このEが女性ホルモンであり、発情状態を作る。
さらにEは下垂体からのもう一つのホルモンであるLH(黄体形成ホルモン)の分泌を促す。
LHは卵胞を発育+排卵させる作用がある。排卵した卵胞は黄体となる。
黄体はP(プロジェステロン:黄体ホルモン)を分泌し発情関連のホルモンを抑制、非発情状態をつくり妊娠の準備をする。
妊娠した場合はそのまま黄体期がつづくが、妊娠しなかった場合は徐々に黄体が退行し、再びFSHの分泌が始まる。

この★に挟まれた部分は概ね他の哺乳類と同じである。
そして1周期が21日なのは牛と同じ。

では何が違うかというと、発情期が1週間と長いことと、LHの上昇が排卵前の一過性のもの(LHサージ)ではなく排卵前後1週間に渡って上昇がみられるということ。

馬の特徴である1週間に及ぶ長い発情と発情終了の24時間前におこる排卵は、このホルモン支配が惹き起こしている。

この"1週間続く発情の終了24時間前に起こる排卵"というのが、馬生産現場の人々の頭を6000年間悩ませ続けている。
というのも後述する精子の生存期間と卵子の受精可能時間との関係と相まって、交配適期もしくは授精適期の判断が他の家畜と比べて格段に難しい。

交配・授精適期については次回

2018年2月21日水曜日

着雪注意にmito注意

湿った重たい雪が降った。
なんちゃってLSDだと思ってあまり期待していなかったのだが、ミトの電子制御式Q2VDC(※)は威力が絶大で、かなりの悪路でもアクセルを適当に踏んでいるだけで走破することができる。スリップをブレーキで自動制御してくれるのだ(運転に介入しすぎなのが玉に瑕)。プジョーがダカールラリーでここ3年を2008DKR, 3008DKR, 3008DKRマキシとFF車で連覇しているようにFF車が悪路に弱いというのはもはや過去の話だ。
横滑りも多少お尻を振るくらいなら電子制御の力でスピンまでは至らず、軽く逆ハンドルをするだけで姿勢が元に戻る。
すごいぞフィアットの電子制御!

どんな天候でもばっち来い!と思ったら・・・

がしかし、ライトがだんだん暗くなる。前照灯がHIDで発熱が少ないためライト前面に着雪するともう解けない。ヘッドライトウォッシャーを使うもほとんど効果なく、どころかしばらく出していると液切れに(T_T)
ハイビームとフォグはハロゲンランプなようでそのわずかな灯りを頼りに走る。こんなとき国道106号は恐怖の酷道と化す。走馬燈の光でも欲しくなる。


こうなると工事現場の信号で止まるたびにライトの雪を払いのけるしか解決法はない。

払いのけ前

払いのけ後

上の2枚を比べると、雪でライトの光が散乱してしまって視界不良になっていることがわかる。対向車にとっては逆に眩しく見えて危険で迷惑。


生きて帰れたのでウッシャー液で乾杯

ちなみにmitoはウォッシャー液が無限に入る仕様だ。写真の4Lボトルは1回ですべて飲み込んでしまう。ミトの中の宇宙が垣間見れる瞬間だ。
ウォッシャー液は乾いた後の汚れが少ないのでコメリの-30℃対応4L入りを愛用している。撥水などの機能があるウォッシャー液も便利だが、ラテン車の場合ボディを痛めたり噴射口を詰まらせたりするので使っていない。


あと、これは別の日で雪は降っていなかったのだが、ミトは後ろ側にこれでもかというくらい着雪する。リアのオーバーハングが特別短いわけではないので、そういう空気の流れのようだ。

※追記訂正
電子制御式Q2機能というのはVDC(ビーグルダイナミクスコントロール)の数ある機能のうちの一つで、タイトコーナー脱出時にアクセルを踏んだ際の内輪の空転抑制機能のことらしい。今回言いたかったのはそれではなく、VDCの雪道でのスリップ抑制機能。機構は電子制御式Q2と同じで滑っているタイヤにブレーキをかけてLSD様の作用をするものと、エンジンの出力を下げることでスリップ抑制するものとある。
ちなみにここでいう悪路走破性は、純粋に大雪&ツルツル氷の峠を越えられるか越えられないかという基準。

2018年2月16日金曜日

鹿児島神宮の初午祭

繰り返しになるが、1960年代のモータリゼーション前の日本では、馬と人の関係はペットとも家畜とも違う「生活に溶け込んだもの」であった(と、思われる)。

そんな中、馬に関わるお祭りが人々のなかで大切にされてきたであろうことは想像に難くない。
一般的には賀茂競馬(かもくらべうま)や、流鏑馬(やぶさめ)、母衣引(ほろひき)のような宮中行事が有名かもしれないが、庶民(農民)の行事に由来するお祭りも全国で行われている。この手の祭りは地元民向けのことが多く、全国的な知名度は低いがその地域地域の特色の出る興味深い祭りだ。
その中でも愛馬の日に世田谷馬事公苑で披露されていた岩手の「チャグチャグ馬っこ」と鹿児島の「鈴かけ馬踊り」は庶民による馬のお祭りのツートップと言える。

鈴かけ馬踊りは、鹿児島県霧島市の鹿児島神宮初午祭で行われる。旧暦1月18日を過ぎた最初の日曜日に行われる祭りで、今年は2017年に閏月があったので例年より開催が遅く3月11日となっている。

スタート直前の馬と人

これは昨年の写真。京セラホテルに泊まってやや遠かったが徒歩で会場に向かった。
スタート地点は保食(うけもち)神社まえの辻の角交差点。ここから1頭ずつ15分おきくらいに十数頭が参道を鹿児島神宮に向かってパレードする。
近くでポニーの馬装も見ることができた。



馬装は花や米俵・紙幣(!)で飾られた和鞍を鈴がたくさんついた胸繋と尻繋と腹帯で固定している。足元にリボン?をつけておしゃれしている馬もいる。手綱はロングレーンで御者は後ろから馬を操っている。
馬の背中に乗っている円いものはポンパチといって、金魚すくいのすぐに破れるアレの大きい版のようなものに豆をつけた紐が付き、でんでん太鼓のように音が鳴る仕組みになっている。
このポンパチが参道いたるところで売られていて観光客でも買うことができる。

一番右がポンパチ売り

赤い馬は子供の健やかな成長を願ってのもの

大中小とあり、500円から7000円くらいのお値段。上のようなものが定番デザインのようだが、売っているところによって工房が違うようで筆で書かれていたりマジックや蛍光ペンのようなもので書かれていたり、馬の表情などにもそれぞれ個性がある。描かれている絵は願いが込められていたり意味があったりするらしいが、なかにはアンパンマンなどのキャラものもあり、露店のお面感覚で子供が持って歩いていることもしばしば。

途中踊り場と呼ばれる場所でぐるぐると踊りを奉納する。
その場で足踏みをするのが馬の踊りで、シャンシャンという鈴の音が響き渡る。大きい馬は迫力満点。
馬の調教方法にも興味があるところ。ピアッフェやスペイン乗馬学校のロングレーン調教みたいにするのだろうか?


踊り場は一番の見せ場。生歌と人の踊りもある。

境内はすごい数の人

ゴール

ポンパチ売りのおばちゃんの話では鹿児島県内では春に馬のお祭りがいくつもあるとのこと。草競馬もあるらしい。
鹿児島に限らず、全国区の知名度はないが地元民に愛されている馬のお祭りが各地方に残っていると思うので、情報収集して各地の馬のお祭りを巡りたい。

帰路。お疲れ様な馬さん。

2018年2月4日日曜日

遠野市小友町 伊豆権現と土室峠

北海道に匹敵する寒さの遠野市の中でも殊更に寒い小友町に行ってきた。
つららに鼻毛みたいに霜(?)が降りているのをはじめて見た。早朝はマイナス15度くらいまで下がったのだと思う。


小友町は厳龍神社を中心に形成されている。産直ともちゃんをスタートして厳龍神社→土室峠→遠野市街のコース。
今回は仕事車のトヨタ プロボックス1.5DX 4WD(前期型, 105ps, 5MT)を使用。
この車の4WDはビスカスカップリングという構造で前輪が滑った時だけ後輪も駆動するという代物。お世辞にも最適なトルクを後輪に配分とは言えないのだが、まあまあの悪路走破性である。

産直ともちゃんの駐車場から不動岩を望む

不動岩と厳龍神社。岩の亀裂が昇っていく龍に見えるという。

小友町の人々はこの寒い時期になぜか裸で厳龍神社に参る。寒いのでわざわざ見に来ることはないであろうが今年は2月24日土曜日17時半から行われるそうな。事前申し込みすれば誰でも参加できるらしいが、起源もご利益もよくわからない裸参りに参加する必要性を見出すのはなかなか難しい。

ここから小友川沿いに上流方向に進む。
ジュースの自販機のある少し大きめの十字路は左折すると小友峠と言って土室峠よりも平和な道で遠野市綾織町に抜けられるので、mitoならばこちらを通るのだが、今回はせっかくなのでより険しい土室峠方面へ直進。

途中小さな橋の手前で左折しないといけないところを直進してしまったら小黒沢の伊豆権現に出た。
ここは源義経の愛馬である小黒号が生まれた地であり、小黒号の馬魂碑が境内にある。


小黒号馬魂碑

案内看板の扱いがひどい。読めない。

源義経が奥州藤原氏の平泉館に身を寄せていたころ、ここ小黒沢の馬に小黒という名前を付けて献上しました。義経没落後その馬がこの地に帰ってきて老死したため、丁重に埋葬したが、時がたつにつれてどこに埋葬したかわからなくなってしまったので権現様の隣に馬魂碑を建てましたとボロボロの案内看板に書いてある。

今も昔も扱いがひどい。

さて、ルート復帰して土室峠へ。
途中から川井住田大規模林道に入る。
この林道は詳細は峠マニアなブログに任せるが、住田町の蕨峠、小友町の土室峠から始まって果ては荒川高原を抜けて宮古市川井町へと続くスーパーな林道(冬季通行止め区間多)である。いつかは完走してみたい。


普段は釜石道宮守ICに抜けるR107ばかり通るが、小友峠も土室峠もちゃんと地元の人は良く使っている道で、険しいがしっかりと除雪されている。
お腹をこするような轍がなければmitoでも走破可能と思う。

そのまま旧道で遠野市街へ

小友は晴れていたのに遠野は雪

旧道は味があっていい。

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