遠野市の地図を見ていて気になることがある。
産直ともちゃんの案内看板
中心よりも少し右上の仙人峠にある「くるりんちょ」は何?
雪解けを待って行ってみることにした。
ちなみにこの地図は古くて釜石自動車道仙人峠道路が描かれていない。
現在はJRの南側を平倉駅のあたりから道の駅釜石仙人峠までを仙人峠道路がほぼ最短距離で結んでいる。
今回走る仙人峠はこのバイパス道路ができたためにほぼ使われなくなった峠道で、mitoのドライブコースには最適だろう。
上郷駅入り口
仙人峠を含むR283は沿岸のR45と内陸のR4を繋ぐ道路だが今回は遠野市の上郷駅近くのローソンから出発することにした。通学に数人が使っているだけではなかろうかという田舎の駅だが、バイパス沿いのローソンが潰れてこっちのローソンが上郷町唯一のコンビニとなっている。出発して数十秒で立派な田舎道になるがこれは想定の範囲内。
あと24kmの看板。
途中まで1km刻みでなんだか癖になるタッチで名物(?)が描かれた看板がある
ワイルドな岩肌
滝で有名な鍾乳洞・滝観洞の近くを走っている
仙人トンネル遠野側
今でこそバイパスができて旧道になったとはいえ、仙人トンネルは、内陸ー沿岸の物流に革命的な変化をもたらしたらしい。また、あまり知られていないが東日本大震災の時にも、大型の橋梁やトンネルが6割を占める新仙人峠道路が点検に時間がかかり通行止めとなっている間、この道が沿岸の命綱となっていたらしい。
しかし、遠野物語でこのあたりに仙人が出るからという説や、千人の鉱夫が生き埋めになったからという説がある名前の由来、どちらにしても気分のいいものではない。
トンネル内真っ暗
仙人トンネル釜石側。雪がまだある
これからこの坂を下る
急勾配あと5kmの看板
予想通り交通量は少ないが廃道然とした様子は見受けられない。バイパス道を通っても10分ほどしか短縮されないと見えて日常的に使っている人もいるようだ。
しかしこの急勾配と捩じれながら曲がりくねるカーブの連続は非日常。mitoのブレンボ製アルミモノブロック対向4ポッドキャリパーブレーキを下まで踏み込みながらシフトダウンするのは購入以来初ではなかろうか。登りならオーバーブーストを限界まで使うことになると思う。
とかなんとか考えていると谷を越える橋を通過。そこからの下り270度ターンをしたところでついに目的のくるりんちょの全貌が見えた。
とかなんとか考えていると谷を越える橋を通過。そこからの下り270度ターンをしたところでついに目的のくるりんちょの全貌が見えた。
ループ発見
来てみればなんてことはない。ジャンクションなどで見られる回転しながら高度を変えるあれだ。しかし向かいの尾根に橋を架けることで急勾配をなくしつつ安全なルートを通るこの知恵と大胆さに感服。タイムリーについ先日ラジオで聞いた話だが、最新技術を駆使して自然の地形や気候に逆らって作った道路よりも、長い年月をかけて蓄積された経験から危険な場所を避けるように作られた道路のほうが工事の規模の大小にかかわらず自然災害に強いことが多いらしい。
さらに進むと鉄の町釜石のかつての心臓部である鉱山跡を通り、街中へ。途中バイパス道である仙人峠道路の高い高い橋脚を脇を通ったのちこの道と合流する。合流地点には甲子柿で有名な道の駅仙人峠があるが、甲子柿はシーズンにいっても品薄でなかなか手に入らない。しかたがないので醤油ソフトクリームを食べる。
鉱山跡
仙人峠道路と立体交差した後合流する
JR釜石線と並行して海へ向かう2車線+1車線の道
橋の上に線路跡を発見
そのままR45に向けて走っていくと3車線(2+1)の橋の真ん中に線路跡を発見。鉱山鉄道でも昔あったのだろうなと思ったらやはりそうらしい。
いや、そうらしいどころではない。つねぴょんの撮り鉄人生さんのホームページによるとこの釜石鉱山鉄道は横浜・神戸に次いで明治13年に日本で三番目に開業したという名のある鉄道ということだ。
しかもこのホームページには操業していた昭和60年当時の写真が多数掲載されている。
ナロー軌道の新日鉄釜石製鉄所のページの1枚目2枚目の写真に至っては下の写真と同じ場所を写しているではなかろうか。見比べてみてほしい。
戦争や高度経済成長、鉱山の閉鎖、東日本大震災による津波被害を乗り越えてきた釜石の鉄鋼業は今も町のシンボルになっている。新日鉄釜石ラグビー部も町のシンボルのひとつで、町は今2019年に開かれるラグビーワールドカップの準備で活気づいている。スタジアムも8月に完成した。
しかもこのホームページには操業していた昭和60年当時の写真が多数掲載されている。
ナロー軌道の新日鉄釜石製鉄所のページの1枚目2枚目の写真に至っては下の写真と同じ場所を写しているではなかろうか。見比べてみてほしい。
戦争や高度経済成長、鉱山の閉鎖、東日本大震災による津波被害を乗り越えてきた釜石の鉄鋼業は今も町のシンボルになっている。新日鉄釜石ラグビー部も町のシンボルのひとつで、町は今2019年に開かれるラグビーワールドカップの準備で活気づいている。スタジアムも8月に完成した。
左:釜石駅 右:新日鉄
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